水はともだち

時　数　 9〜10 / 25　 （　国語との関連１時間　）
活動名　「生き物の町をこの後どうするか相談しよう」
ねらい：「生き物の町」で世話になった生き物に感謝の気持ちを持ち，何をすることが生き物にとって本当に幸せなのかを考える。

展　開

教師の働きかけと予想される子供の現れ 　　子供を支える手だて 　 　　　　　　　　　　 ・国語の時間を使って作文を書く。　　　　 　　　　　　　　　　 　　　　　　　　　　 ・どうすることが生き物にとって一番幸せなことであるかを考えさせる。　　　　　　　 　　　　　　　　　　 ・自分の考えを紙に書き留める。　　　　　 　　　　　　　　　　 ・最終的な判断は子供自身に任せる。　　　 　　　　　　　　　　 　　　　　　　　　　 ・これまでお世話になった生き物に感謝の気持ちをもってお別れをしてほしい。　　　　 　　　　　　　　　　 ・使った道具をきれいに片付けてほしい。　 　 　　　　　　　 「生き物の町」の作文を書こう。　 　・たのしかったよ。３年生が「すごい」っていったよ　 　・魚を殺しちゃったよ。ごめんね。 　　　　　　　　 「生き物の町」大成功だったね。お世話になったカニや魚をどうしてあげたら一番いいだろう。　　 ＜川に逃がしてあげる＞ （２９人） 　・飼って死んじゃったら かわいそう｡ 　・もともと川に住んでいたし 川には餌がある｡　 　・川に帰すのは当り前｡自然のほうが楽しい｡ 　・きっとお母さんと会いたいだろうから｡ 　・人間だけ 命があるわけじゃないから｡ 　・逃がせば 新しい友達ができるから｡ ＜家で飼ってあげる＞　（４人）　　　　　　　　　　 　・今,家には一匹のハヤしかいなくて一匹だけではかわ 　　いそうだから｡もしかして親子かもしれない｡　　 　・どうせ逃がしたってザリガニに切られちゃうかもしれ 　　ないから｡ 　・逃がしたって,敵にやられたら意味がない｡それより飼 　　ってあげたほうが,安全｡ 　　　　 　　　　　逃がしたい人は，川へ逃がしにいこう。　 　・さようなら。いろいろありがとう。 　・放課後，ここに取りにきていい？ 　　　　　　　　 　　　　　 「生き物の町」の後片付けをしよう。

考 察
　「生き物の町」を開いたことについて，国語との関連で作文を書いた。さて本時は，水族館作りの最後の時間である。これまでお世話になった生き物についてこの後どうしたらいいかを話し合った。昨年の「ザリガニさんとなかよしになろう」と同様，本単元も生き物を＜逃がす＞・＜逃がさない＞で意見が分かれた。主な意見は上にあげた通りである。どの子供も生き物の身を案じての考えであった。３０分以上の話し合いは熱のこもったものになり，ほとんどの子供が自分の意見を主張した。話し合いでは考えがまとまらなかったので，最後に自分の考えを紙に記し、どうするかの判断は一人一人に任せ，逃がしたい子は近くの川に逃がしにいった。
　さて，昨年ザリガニを引き続き飼うことに大変固執した子がいたのだが，本年は「生き物を逃がしてあげたい」ということを盛んに主張していた。何がこの子を変えたのであろう。１年間の間に生き物の命に係わる重大な経験をしたのであろうか。それを探っていくことが体験が子供に与える作用を明らかにしていくであろう。また本年は「お母さん，お父さんに会える」という考えが新しくだされた。生き物の家族という点にも子供たちが考えを広げたことが分かる。