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どうして巨大な古墳を作ったのか

森竹高裕

　古墳の見学に出かけた。大きな墓は昔、静岡平野を治めていた豪族の墓であることが分かった。山から見渡せる全てのところを治めていたということだから大変なものだ。一番大きな岩は１４トンもあり、遠く離れた海岸から運んできたというから驚く。子どもたちからこんな疑問が生まれた。

たった一人のために１４トンもの石を運んで、大きな墓を作ったのはなぜだろう。　

• 米（金）持ちでやさしく偉い人だったから。
• お金持ちだったからお金がほしくて。
• みんなから人気があって作らないと米などくれないから。
• それだけ権力を持っていて今の市長さんみたいな人だったから。
• 墓に入っていた人がみんなから慕われていたから。すごい偉い人だったから大きな墓を作ったんじゃないか。

　こうした考えが出された。複合している部分もあるのだが、分かりやすくするために整理をした。

〈米（金）持ちだった〉

• すごく金持ちだったから。
• 作るお金がたくさんあったから。

〈みんなから好かれていた〉

• その人は偉くて権力があり、みんながその人についてきてくれたから。
• 昔はとても偉い人で、みんなから感謝されていたから安らかにゆっくり眠れるように、そして中に誰も入れないようにするために、大きな岩を運んできた。
• 偉い人は国を支えていてなくなったら、そのお礼みたいな感じで頑丈で大きな墓を作ったと思う。

〈権力を持っていた〉

• 偉い人が入って従わなければ、痛めつけられたりした。
• 偉い人ですごく権力とかがあったから。

　このように大きく三つの仮説が出された。そこで仮説を裏付けるための証拠を探すことにした。

　自分の仮説を裏付ける証拠を探そう

　予想を立ててからそれを裏付けるための証拠を見つけるのは大切である。何となく資料を眺めるのではなく、見る視点をはっきり持って資料に臨ませる。こうした視点で改めて資料を読ませると、全員が〈権力〉という考えに変わった。

〈権力〉

• 資料集の絵を見ると指図する人がいる。服装も他の人と違って、その人は働いていない。
• 人の顔を見ると大変そうで、もしこれがお礼なら真剣な顔だけれど、疲れていて命令されている感じがする。

　図をよく見てそこから自分の考えを持ったのは素晴らしい。ここで

権力とはいったいどういうことだろう。「権力と（　　）する力」に言葉を入れよう。　

　・権力とは偉さ。
　・権力とは人を従わせる力
　・権力とは思い通りに命令する力。
　・権力とは人を動かす力

　などが出された。権力があるとは、いやでも反対でもそれ以上の力で従わせることだということが分かった。ではどうしてこんなに大きな墓にしなくてはいけなかったのだろうか。

一人だけが入れればいいのに、こんなに大きく墓を作る必要があったのだろうか。

〈大きく作らないといけない〉

• 大きいほど自分の力が大きかったことがわせる。墓が大きいほど、中の人はすごい力の持ち主だったとわかるから。
• 自分の持っていた力で墓の大きさが変わるから、大きければ大きいほど力を持っていたということ。だから大きいほどいい。
• 権力を持っている人は歴史に残すために大きく作ったと思う。普通の人は死んだら、そのへんの土に埋めたと思います。

古墳時代の感想を書こう。

・私は古墳を作ったのはなぜかなと思っていたけれど、その意味がその墓に入る人の権力を示していて、それだけの人を働かせる力があったということがわかりました。

・偉い人は自分の力をお墓の大きさで示したのかなと思った。

・いくら権力を持っていたからと言って、人を無理矢理働かせるはひどすぎる。なぜ作った人たちは全員で攻撃しなかったのかな。