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各地のくらしと気候２

曲がったサトウキビのわけは？

森竹高裕

　沖縄の気候の特徴の一つに台風が多いことがあげられる。このことを気づかせるためにサトウキビを使って授業をした。教室に本場のサトウキビを持ち込んで

これは何でしょう？

と聞くと「サトウキビ！」と元気に返事が返ってきた。サトウキビは２ｍ以上もある。実物を目の前にすると子どもはいろんなことをつぶやく。
　・長い　　　　　　　・竹みたい
　・曲がっている　　　・柔らかい
　・葉のところが竹と違う

　いろいろな気付きの中で曲がっていることに注目した。

沖縄のサトウキビはどれも曲がっているのですが、どうして曲がっているのだと思いますか？

〈太陽説〉
　・ひまわりのようにサトウキビは太陽光を向く
〈台風説〉
　・台風の風で曲がってしまう
〈暑さ説〉
　・太陽の暑さでサトウキビの中の砂糖が溶けて曲がってしまった

　こうして理由を読むと、どれも一理ある。さて予想したところで

どうして沖縄の台風は曲がってしまうのか資料を使って調べてみよう。

　子どもたちが注目したのは１年間のカレンダーであった。このカレンダーの中に［サトウキビの植えつけ始まる］［台風が多い］という部分が同じ時期になることに気づいた。そこで、教師の資料を見せた。これは沖縄県の小学生が使っている社会科資料集である。これをみるといかに沖縄地方に台風が多いのかがわかる。

どうしてサトウキビが曲がるのか自分の考えをまとめよう。

• やっぱり台風だと思う。８月〜９月がとても台風が多く沖縄もよく通るから。
• 初めは暑さで曲がると思ったけれど違う。サトウキビの植え付けが８月だけれど８月は台風が４４回くる。育っても９月３０回、１０月も１７回もあるからサトウキビは雨や風で倒されて曲がる。
• サトウキビは海沿いに畑があるから台風の影響を受けやすいから折れ曲がる。

　台風の数は７月〜９月にかけてその多くが沖縄を通る。回数も２７回、４４回、３０回と集中している。このことを話しているうちに「風がすごいなぁ」「８月なんて毎日台風があってもまだ足りないよ」「危ないよ。学校に行けるのかな？台風で早く帰るのかな？」こんな声があがった。そこで沖縄の人たちの暮らしの工夫について写真から読み取りをした。

沖縄の写真を見て台風の風から守る工夫を見つけよう

　教科書の写真はよく考えて撮影されている。よく見るといろいろな工夫が読み取れるようになっている。

　・屋根の瓦が風で飛ばないようになっている。
　・一階建てになっている。
　・石垣で囲っている。
　・シーサーがいる。
　・ベランダをなくす

　このように風から家を守る工夫がいくつも見つかった。ではこの台風は沖縄の人たちに豊かな水をもたらしているのだろうか？