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’０２自動車を作る工業２

自動車部品の分解をしよう。

森竹高裕

　車の部品を教室に持ち込んで授業をした。持ち込んだのは、消防車の赤色灯・ラジエーター・テールランプ・エアフィルター・エンジン・エアバックである。これらの自動車部品は、自動車解体業者から安く譲っていただいた。

　家からドライバーやペンチなどの工具を持ち寄り

車の部品を分解してみよう。分解というのは破壊が違うよ。外してもまたもとに戻るようにするのは分解なんだよ。

　と分解を始めた。モノがあると意欲が違う。１時間中脇目もふらずに作業に没頭していた。子どもたちの様子は

• なかなかとれにくい赤色灯のふた部分がとれると、あとは奥の奥まで分解していた。
• ラジエーターの液が出てきて大騒ぎ。ラジエーターのフィンの部分を見て「家にある換気扇みたいだ」と声を上げていた。
• テールランプは、工業用糊がべったりとついていて悪戦苦闘。手が糊だらけになった。
• テールランプの電球。よく見ると電球の作りが微妙に違うことを発見した。
• エンジンは、いくらやってもペンチでは歯が立たない。やっとの思いで１個だけネジがはずれただけだった。
• エアバックの構造を誰一人知らなくて、用務員さんと恐々分解していた。

　次の時間にどんなことを感じたのか聞いてみた。

部品を分解して、わったこと・思ったこと・考えたこと

• 分解の仕方が難しかった。赤色灯はすごく奥深かった。
• 部品があまり多くないもの（エアフィルター）とたくさんあるもの（赤　　色灯）があった。
• テールランプは、はがれにくい糊を使っていた。
• ライトのところを分解したら思ったより部品が少なかった。
• 思ったより部品が多かった。

　一つ一つ分解した部品を手にとって説明していくのだが、子ども達は集中してよく見ている。感じたことの中に不思議に思ったこともあるので出させた。

不思議に思ったことや疑問に思ったこと出してもらいます。聞いていて答えがわかったら教えてください。

　こうすることで疑問が絞られて、次の学習課題が見えてくる。

　・エンジンが少し動いたのは何故か？
　　→　エンジンの動くところだったから
　・どうしてネジにに油を塗ったりするのか？
　　→　赤色灯の回るところなのでよく回るようにしている
　・なぜエンジンは頑丈なのか
　　→　走っている途中に分解してしまうと困るから
　・車についている部品は全部同じなのか
　　→　いろいろな車があるから部品は違う
　・エンジンはどうして作っているか
　　→　工場で作っているんじゃないか

　唯一はっきりしなかったのが、エンジンはどうして作っているか？であった。工場で作っているらしいことはわかるのだが、どのようにして作っているかがよくわからない。そこで次は、車の作り方について学習することにした。