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立体

ありの近道はどの道か

森竹高裕

　この単元では、いろいろな立体の形や四角柱の展開について学んだ。単元のまとめとして「ありの近道」問題をおこなった。まず黒板に図を描いて

ありが箱のアからクにあるビスケットのところまでいきます。どのように行くのが一番近道でしょうか？

　まずは頭の中だけで近道を考えてみた。出された予想は６種類だった。頭の中の予想ができたところで、今度は実物を使って考えた。

■絵を直す

ティッシュの箱を使って考えてみよう。

　実物があるとぐっと考えやすくなる。あれこれ道を探りながら、近道を探していた。触っているうちに考えが変わった子が出てきた。

〈Ｆ→Ｄ〉
　・線引きで測ってみたら、ＦよりＤの方が短かった。
　・Ｆだと角（頂点）があって余分。もっと近くに行けそうでＤは直線だ
　　から。

　子どもたちはすべてのケースについて、線引きを使って長さを測っていたが、時間が十分にはなかった。

まだ全部を測っていないと思いますが、今の段階で考えの変わった人がいたら、考えを変えてもいいですよ。　

　こう呼びかけると、ほぼ全員がＤに変更した。理由を聞くと、

〈Ｄ〉

• ＣだったけどＤに変えました。Ｃは３６cmだったけれど、Ｄは２７cmだった。
• まだ全部は測っていないけれど測ったのは、Ｄ以外は全部３０cm台でＣだけが３０cmだったから。
• 私は展開図を使って考えていたんだけれど、展開図を書いて線を引いてみたらＦよりＤの方が短かった。

　一人の子から展開図という話が出たので、今度は展開図を使って考えた。

今度は展開図を使って考えてみよう。ありとビスケットを結ぶ最も短い線はどんな時ですか。

　展開図をもとにありの位置、ビスケットの位置を考えた。すると
　・ありとビスケットを直線で結ぶと一番近い。

　ことにすぐに気がついた。これを切り抜き組み立てるとＤであることが分かった。

ありとビスケットを結ぶ直線は、もう１本あるけれどどれかわかりますか？　またどちらの線の方がより短いと言えるでしょう。

　ビスケットのある点クと重なり合う点を探した。点クと重なるのは点
ク´である。直線アクと直線アク´を比べると若干直線アクの方が短いことがわかった。

　授業の感想を書こう。

• いろいろな考え方があっておもしろいと思った。ありが本当に近道を考えていたらすごいと思った。
• やり方がいっぱいあっても答えは一つなんだなあと思った。展開図にすると近道が簡単にわかる。何で気が付かなかったのかなと思った。
• もし私がありだったら、この道を使おうと思った。だって早くクッキーまでたどりつかないと誰かにとれちゃうかもしれないからね。