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４年　垂直と平行２

「平行」　線を伸ばしたら重なる、重ならない？

森竹高裕

平行の学習でも、学区地図を使って学習を進めた。

どこまでいっても重ならない道を見つけて、その道を赤くなりましょう。

地図とにらめっこしながら、縦横に線を引いていった。線を引いて気づいたことを発表させると

• 川の近くは重なってしまう道が多い。
• 地図のほとんどのに重ならない道があった。
• Ｋ町はどこまでいっても重ならない。
• Ｋ町は重ならない線が多い。
• 道と道が離れている
• まっすぐな線が重ならない線。
• 家（住宅地）の近くに重ならない道が多かった。川の近くにはなかった。

このようにどこまでいっても重ならない線についての性質がいくつも出された。実はこの「どこまでいっても重ならない線」の定義もう少し明らかにするために、クイズっぽく尋ねてみた。
教師が作成した図を提示して

隠れているところから、紙から線がだんだん出てきます。どれが重なる線で、どれが重ならない線でしょうか？

（ア）は見てすぐに「重ならない」という声。（イ）も見てすぐ。上の端がほんの少し見えただけで「重なる、重なる」の大合唱。みんないい目をしている。子どもたちが一瞬迷ったのが（ウ）と（エ）である。少しずらしただけでは〈重なる〉〈重ならない〉〈よくわからない〉の３つに考えが分かれた。そこで（ウ）（エ）についてもう少し考えることにした。

子どもたちが迷ったのが、（ウ）と（エ）であった。ぱっと見ただけでは、線が重なるのか重ならないのかわからない。子どもたちも〈重なる〉〈重ならない〉の両方の考えが見られた。ここで（ウ）と（エ）を描いたワークシートを配って

線をこわさないで、どこまでいっても重ならないのか調べる方法はないのだろうか。

子どもたちは三角定規や分度器を手にしながら、あれこれ調べはじめた。

• ずっと線を伸ばしていき、ノートに描けなくなったら、三角定規をあてて、継ぎ足していく。するとやがて（エ）は重なる。
• 線引きを置いて線と線の幅を読む。（ウ）の方は幅はかわらないけれど、（エ）はだんだん狭くなっていく。
• 分度器で線の角度を調べる。（ウ）はどちらも７０°だけれど（エ）は７０°と６０°だった。
• 線に沿って三角定規をあてる。（ウ）では線の長さは４cm２mmだった。（エ）では４cm２mmだったのがだんだん狭くなって、４cmになった。

たくさんのやり方を見つけることができた。

（ウ）と（エ）を比べると、どんなことがわかりましたか？

• （ウ）はどこも同じだけれど、（エ）は違っている。
• （イ）はだんだん、短くなっている。

などに気づいた。こうして子どもたちが見つけた平行のきまりは

平行のときは、長さや角度が同じ。

というものであった。この気持ちまりを使うと、線引きや分度器をつかなくてもすぐに値を求めることができる。