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分　数

〜ジャンケンで１/８モリを増やせ〜

森竹高裕

　分数の学習で分かりにくいのは、真分数・仮分数・帯分数の部分である。いろいろな言葉が一度に出てきて頭が混乱しやすい。教科書では次のように定義されている。

１/３や３/４のように分子が分母より小さい数を真分数といいます。１と１/３、１と３/４のように整数と真分数の和になっている分数を帯分数といます。４/４や７/４のように分子が分母と等しいか、分子が分母より大きい分数を仮分数といいます。

　何度も読んで説明はしたが、まだピンと来ていないようだ。これを子どもが自分たちの問題として考え必要に迫られて１より小さい数、１より大きい分数という意識をもって数をとらえるようになってほしいと考えた。

　そこで新聞紙を使ったゲームをおこなった。新聞紙１枚を「１モリ」と名づけ、これを８等分したものを１/８モリと呼ぶことにする。この１/８モリを使ってのジャンケンゲームである。

　まず子どもたちに１枚ずつ新聞を配った。

これを１モリと言います。これを使って今日はジャンケンゲームをしましょう。

「わーい」と子どもたちは大喜び。
　ジャンケンをして勝ったら、相手のものがもらえます。負けたら渡さなくてはいけません。
「えー、１枚だけなの？」「負けたら最後だ」という声があがるので、もう少し数を増やすことにした。

ではこの１モリも半分に折ってみよう。これは１モリのどの位の大きさですか？

　・１/２モリです
　　そうだね。

まだ半分に折ってみよう。そうすると１モリのどの位ですか？（１/４モリです）まだ半分にすると？（１/８モリです）

　こうやって少しずつ折って、１/８の大きさにしたところで切りわけた。

それではジャンケンゲームを始めます。用意、ドン。　

　子どもたちはもう夢中である。２〜３分たつとカードの多い子、少ない子が現れてくる。様子を見計らって、

自分の結果をノートに書いてみよう。

　１枚が１/８モリなので、枚数を数え出すが、真分数と仮分数の２通りの表し方が出てくる。それをそのまま黒板に書かせた。
　・９/８モリ　・１と１/８モリ　・１モリ
　・８/８モリ　・１２/８モリ　　・１と４/８モリ

　ずらっと黒板にならんだところで、同じ大きさの見つけっこをした。

この中で同じ大きさのものはどれでしょう。　

　しばし沈黙のあと「あった」の声
　・９/８＝１と１/８　１＝８/８　１２/８＝１と４/８

などの仮分数と帯分数を見つけることができた。

９/８＝１と１/８　１２/８＝１と４/８は、本当に同じ大きさなのだろうか

　１/８モリが何枚あるかを数えると確かに同じ枚数である。帯分数と仮分数という二種類の表し方があることがわかった。ゲームを全部で４回繰り返し、最後は帯分数と仮分数の両方で数字をあらわすことができた。