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ものが燃えるとき１

空き缶のどこに穴を開けるか？

森竹高裕

　この単元では、ものが燃えるときのしくみについて学習をする。教科書の写真を見ると、空き缶の中で割り箸を燃やしている。さっそく私たちもやってみることにした。

写真を見てごらん。空き缶の中で割り箸を燃やしているね。この割り箸をなるべくよく燃やしたいのだけれど、缶に穴を空けた方がいいと思いますか？もし空けるとしたら、どこに空けるのがいいでしょうか。（ 空ける・空けない ）

　ほぼ全員が〈穴を空けた方がいい〉と考えた。穴の位置については〈下〉という考えが多かった。どうしてなのか理由を尋ねてた。

〈空けない〉１人
　・風とか入ってきて火が消されちゃうかもしれないから。

〈下に空ける〉１４人
　・キャンプとかやるときに下からうちわで扇ぐから。
　・前に七輪でサンマを焼いたときに、穴が下に空いていた。
　・空気が下から入って上の方に出ていきやすいから、下の方がいいと思う。
　・いつも新鮮な空気が下の方から入ってくる。燃えるときに空気がいると思う。

〈中間に空ける〉１人
　・真ん中から空気が入れば、上にも下にも空気が行くから。

　こうして予想を立てたところで、実際に割り箸を燃やした。

空き缶に穴を空けて、割り箸を燃やしてみよう。　

　予想が〈下〉に集中したので、班の中で〈空けない〉〈上〉〈中〉〈下〉の４種類で燃やすことにした。空き缶の中に１０本の割り箸を入れ火をつける。自然と火が消えるまで割り箸を燃やした。
　結果は、よく燃えた順に〈下〉〈中〉〈上〉〈空けない〉であった。子どもたちの予想はみごと当たっていたのだが、実験の振り返りをさせると疑問も出てきた。

実験をして、わかったこと・疑問に思ったこと。

• 何で上に穴を空けるとあまり燃えないのか。
• 穴を空ける場所が違うと空気の流れが違うのか。
• よく燃えるのはどうして下じゃないといけないのか。
• 私の意見は〈下〉でした。でもうちで考えていたとき〈空けない〉方が燃えるかなぁ、とも思いました。でも結果は〈下〉でした。でも何で〈上〉〈中〉〈なし〉はあんまり燃えなかったのかなぁ、と思いました。
• 〈下〉はすんげぇ燃えまくって、缶が黒こげでした。〈中〉は一番最初に燃えて燃え尽きました。でも一位の人とは違ってあんまり焦げなかった。〈上〉はあんまり燃えないで、焦げもしないですぐに燃え尽きた。〈なし〉は全然燃えなかった。１０秒くらいで燃え尽きた。
• 穴を空けなくても上の方が空いていたのに、何で穴を空けないと燃えないのか。

　子どもたちの疑問は

なぜ穴を下の方に空けた方がよく燃えるのか。

というところに集約されるようだ。このことについて考えてみた。

• 火は下からだんだん燃えていくから、缶の下に穴を空けて下から空気を入れると燃えている「もと」に風が当たるから、よく燃える。
• 下の穴から風が入ってきて火と一緒に燃えて順々に上に行くから。
• 空気があるからで、下から新しい空気が入って、上から出ていくから。
• 下の方で温まるので、上からその空気が出ていく。そのとき中の温度が上がると思う。
• 空気は流れよく上にのぼっていくと思う。火も流れに乗ってまだ火がついていない方に移ってよく燃えると思う。
• 下にも空気がないといけない。下に火があって流れよく火がついていく。

　子どもたちは最初に〈風〉という言葉を使ったが、よく確かめるとこれは〈空気〉のことだと気づいた。よく燃やすためには空気が必要で、火は下から上にのぼっていく、空気の流れに乗って火は燃えていくと考えた。