電磁石のはたらき３

電磁石をパワーアップさせよう

　電磁石を触っていると、どうしても「もっとたくさん釘をつけたい」「パワーアップさせてみたい」という願いが起きてくる。これは子どもの自然な思いであろう。電磁石が永久磁石と大きく違うことは、力の大きさを変えられるということである。電磁石のパワーアップについて学習をした。

　これまでの実験から、

という問題を出した。電磁石の中で変えることのできそうなところに目を向けると、電池、コイルの巻き数、コイルの材質、芯、コイルを巻くもの、などがありそうだ。これをもとに、どこをどう変えたらいいのか考えさせた。

　子どもたちは〈電池の数〉と〈コイル〉を変えるといいのではないかと予想した。
〈電池〉

〈巻き数〉

　子どもたちの予想の多くは、電池の数、コイルの巻き数であったが〈釘〉という考えもあった。
〈釘〉

　そこで、こうした予想を実験で確かめることにした。

〈電池〉と〈巻き数〉では、どちらがより効果があるか尋ねると〈電池〉と予想した子がほとんどだった。そこで条件を一つずつ変えながら試していた。手作り電磁石で試してみると、コイルの巻き数の違い、電池の残量などの違いによって正しい結果を求めることができない子もいた。実験結果にもそのことがよく現れていた。

　充分に満足する結果が得られなかったので、教材セット使って条件をそろえてやってみた。

電流が安定してると結果もよかった。各班の実験結果は、

１００回巻きは５.６本だったけれど、２００回巻きは８本になっていた。２００回巻いてある方がすごくつきました。僕は巻き数が多い方がたくさん釘がつくことが分かりました。
電池は１個のとき、3回やって平均が、５.３本に、２個のときが６本という結果が出た。だから電池が多いほど、パワーが強くなることが分かった。やってみて全部多い方がパワーアップするということが分かった。理科の勉強ではこの実験だけではなくて、ほかのことに対しても多い方が強くなると感じた。
電源装置を使ったら、コードが交わって、煙が出てきてしまいました。　しかも、自分のコイルもとけて、最後にはゆがんでしまいました。でも、すごく正確に結果が出たような気がします。
コイルも１００回巻きでは、平均６.３本だったけれど、２００回巻きでは７本だった。何かを増やせば、力も増えると思った。
電圧が高かったり、コイルの巻き数が多いと電磁石の強さも強くなるということが分かった。