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花から実へ３

カボチャの花粉を見てみよう

森竹高裕

　お花とめ花が離れているカボチャの場合、花粉をどうやってめしべまで届けるとか考えたとき、こんな疑問を持った子がいた。
　・花のミツは、花粉を運んでもらうお礼なのだろうか？

　とてもおもしろい疑問である。このことを少し考えてきた。

花のミツは、花粉を運んでくれる虫へのお礼なのだろうか　

　この疑問については考えが分かれた。

〈お礼〉
　・サクラソウとトラマルハナバチのように仲よく協力するから。
　・ハチばかり働いていたら不公平だから、働いてくれたかわりにミツをあげる。
　・花にとってミツは使い道がないから、ハチにお礼としてあげた方が使い道がある。

〈お礼ではない〉
　・花は自分で考えることができないし、ミツを出す仕組みになっている。
　・ハチは花粉を運びに来ているわけじゃなくて、ミツを吸いに来ているだけ。
　・ハチはもともとミツをエサとして集めているときに着くのが花粉だから、お礼ではないと思う。

　ここではすぐに結論を出さずに、引き続き授業の中で考えていくことにし、カボチャの花粉の観察をした。

顕微鏡でカボチャの花粉を観察してみよう。　

　お花から取って来た花粉を観察すると、花粉の表面の様子がよく見ることができた。
　・トゲトゲがある
　・気持ち悪い。

　そんな声が子どもたちから上がっていた。

花粉を見てわかったこと、気づいたこと。　

　・花粉は普通トゲトゲしていないと思っていたけれど、まさかトゲトゲがあるとは思わなかった。すごいと思った。

　子どもたちは、カボチャの花粉の突起に気がついた。この突起は何のためにあるのかを考えてみた。

どうしてカボチャの花粉にはトゲトゲがついているのだろう。

　・他の虫に受粉させないため。
　・花から取れにくいようにしている。
　・ハチが花粉を持っていくときに引っかかりやすくしている。
　・花から飛ばされないようにしている。

多くの子は滑り止めと考えていたが。
　・あまりたくさんの花粉を虫に食べられないように、のどに突き刺さるようになっている。

と考えた子がいた。これは大変面白い考え方である。〈花のミツは虫へのお礼ではない〉という考え方につながるものがある。花は虫と仲よしになりたいのか、否かという問いにまとめることができそうだ。花と虫の関係について、もう少し探っていくことにした。