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ヒトのたんじょう１

赤ちゃんはどのように大きくなるか

森竹高裕

　　これまでインゲンの種やメダカの卵などで「命の始まり」から「命が生まれる」ことを学んできた。インゲンでは胚から芽が、メダカでは卵から子メダカが生まれた。ではヒトの場合は、どんな仕組みになっているのだろう。まずは産婦人科で撮影してくれる胎内映像のビデオを見せた。

今からビデオ見せます。何が映っているか分かりますか？

　パッと見ただけでは何が映っているのかよくわからない。てもよく見ていると、画面の中央で何やら動いているものがある。こうしたビデオを家族から見せてもらった子もあったようで、
　・おなかの中の赤ちゃんだ

　という声があがった。トクトク動いていたものは、心臓だったのである。でも全くヒトの形には見えない。次にもう１本のビデオを見せた。こちらもお腹の中であるが、はっきりとヒトの形がわかる。あちこちを動いている。

このようにしてお腹の中で過ごしてから、みんなは生まれてきのですが、どんな赤ちゃんだったか家の人から聞いていますか？

　・もし女の子だったら○子という名前にすることになっていたらしい。
　・お母さんのお腹をそこで蹴飛ばしてお腹が痛かったんだって。
　・本当は３月生まれたんだけれど、遅くなって４月生まれになったよ。
　・生まれて来るとき頭が出てこなくて、すごく大変だったんだって
　・生まれたときにあんまりうるさいものだから、別の部屋にされた。

　一人が話すたびに和やかな笑顔に包まれる。こうした話をお互いが紹介し合うものはいいものだな、と子どもたちのニコニコしている顔を見て思った。
　さて次にこれまでの学習と関連づけながら、一つの表にまとめた。
ヒトの場合は、命のもとどのように育てるのであろう。インゲンのようなデンプンも、メダカのような栄養の袋もない。

ヒトの命のもとはどこからどうやって、栄養をもらって、お母さんのお腹で赤ちゃんになったのだろう。

　・へその緒でお母さんに栄養をもらう。
　・赤ちゃんはお母さんのへその緒でもらったと思う。
　・へその緒でお母さんが食べた栄養をもらって、命のもとから赤ちゃんになった。
　・お母さんのへその緒がつながっていて、そこから栄養をもらっている
　　と思う。

　このように、へその緒でお母さんのつながっている、と考えた子がほとんどであった。このへその緒の秘密について学習を進めていく。