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月や星４

宇宙の広がりを実感しよう

森竹高裕

　宇宙の広がりについてモデル実験をして学んだ。太陽を中心に地球や月が回っていることは知っているのだが、それらがどのくらいの距離なのかはあまり知らない。そこで３０億分の１モデルで考えてみた。

太陽や月の本物を教室に持ってこられないので、小さなサイズにして考えてみましょう。太陽の大きさが５０cmの地球のとき、月の大きさはどのくらいになるでしょうか。

　子どもたちは３０億分の１の地球や月の大きさを想像するのは難しかった。太陽のバルーンに地球の大きさが印刷してあり、それを見て「小さい」の声があがった。太陽には109個の地球が並び、３０億分の１では５mmの大きさで、月は１.５mm にしかならない。

ＪＡＸＡの人に地球は月から100kmの高さからだと教わりましたね。このサイズだったらどのくらいの高さから宇宙になると思いますか。（Ａ：１mm　　Ｂ：１cm　　C：１mm）

　予想で多かったのは 〈Ｂ〉〈Ｃ〉であった。答えは…　詳しい計算は省くが、0.000000078ミリである。この部分が大気ということになるのであるが、あまりの薄さに子どもたちはピンと来ていなかった。

　次に日食のケースを取り上げた。太陽−月−地球の位置関係を確認した。昨年は日食があったため、その原理について子どもたちはよくわかっていた。

日食は太陽が月で隠されていた時に起こります。太陽と月が、この３０億分の１モデルの大きさのとき、何メートルくらい離れたら太陽は月に隠されるのでしょうか。

　自分の頭（目）を地球として、月と地球（自分の頭）は12cm離した。教室まではとても月を隠すことができないので、運動場に出て調べた。１０ｍ、２０ｍでは太陽が隠れない。だいぶ離れたところで太陽が隠れ、日食の状態が起きた。歩数を測ると４０〜７０歩ほどが多かった。計算すると５０メートルほど離れたところになる。運動場ではかなり離れた場所に見える。

地球はこの５０メートル離れた運動場を回っています。今みんなは地球ですから、太陽の周りを回りましょう。

　このように運動場の目一杯広いところをつまようじの月を持たせて走らせた。中にはくるくると自転しながら走ってる子もいた。はあはぁしながら戻ってくると「地球って大変だな」という声があがった。地球は１年をかけて太陽の周りを一周する事を話した。

太陽の周りを回っている星はまだ他にもあります。この太陽が学校の中心にあったとしたら海王星はどの辺りになると思いますか。

　・（学区の）スーパーマーケットくらい
　・体育館の向こう側くらい

といった考えが出された。３０億分の１モデルでは、海王星までの距離は２.３km近隣の学校はすべて範囲に入り、ずいぶん遠くまでになることを教えた。

授業の感想

• 太陽から月まで普通だと思っていたけど、すごい遠いことがわかった。自分が地球になってグランド走ったけれどすごく大変でした。
• お月様は大変だと思った。５０ｍは意外と近いと思っていたけれど大変。太陽と地球の距離はすごく広い。しかも回転しながら回るのは大変。
• 地球はこんなに大変なんだなと思った。日食は月と太陽が重なって見えるんだと思いました。地球さんガンバ。３０億分の１だと小さいけど本当はその３０億倍なので、すごく宇宙は広いんだなと思いました。
• 太陽はすごく大きいとわかりました。地球はマラソンをしていると思いました。地球はどのくらい広いのかなと思いました。
• 地球や他の星は１年かけてあんなに長い距離を移動している。私はなんで動いているのか知りたくなりました。今日の授業は楽しかったです。
• ぼくは太陽と地球の距離が近いと思っていたけれど、地球と太陽はすごく離れていたのでびっくりしました。

．指導案