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「春のしぜん」では、気温が上がると生きものが活発に活動することを学ぶ。今回はダンゴムシを取り上げた。４月は雨が多く、気温の低い日が多かった。校庭に出てもあまり生きものが見られなかった。
しかし５月になり気温が上がってくると虫の姿も見られるようになってきた。冬の間冬眠していたダンゴムシも起き出したようだ。
そこでルーペを手にしたダンゴムシをさがしに出かけた。
虫には触れないという子でも、ダンゴムシなら何とか大丈夫だ。見つけたダンゴムシをプラ容器にれて教室に持ち帰った。ルーペでよく見てクイズに答えていった。クイズ形式にすることで、よく観察をさせた。
・ダンゴムシは足が１４本あることがわかった。
・ダンゴムシの足を調べたとき、足がちょっと多いと思った。
・ダンゴムシは、目も口もあって卵も生むのですごいな。もっとダンゴムシのことを知りたいです。
このようにダンゴムシの足のことについて気づいたり、目や口を見たりした。ルーペでよく見ると、目や口がわかる。ルーペを通してみるダンゴムシは、とても迫力があり、見慣れてくるととてもかわいらしい顔をしている。オスとメスの違いもわかった。
次の時間には、もっとダンゴムシと仲よくなったり、ダンゴムシへの理解を深めてほしいと願った。前回、ダンゴムシレースをしていた子たちがいたので、そのことを紹介し、４人班ごとレースをした。やってみると個体差があり、足の速い子はいつも一着で、のんびり屋さんはいつも四着である。とってもおもしろい。円の中央で丸くなってしまって、全く動かない子もいる。子どもたちはこんな気づきをした。
・私の捕まえたダンゴムシはすぐに丸くなってしまいます。なぜでしょ
うか？
・かわいかった。コロコロやると丸まってしまいます。平気になると元
に戻ります。
ダンゴムシの最大の特徴は丸くなることである。そこで
と、いろいろなことをして調べた。ライトを当てる、風を当てる、水をかける、高いところから落とす、線香の火をかけるなどなど…。中には動物虐待？と思われるようなこともあり、ダンゴムシにはかわいそうなことをした。
「卵を持っているお母さんダンゴムシはやめてあげよう」と卵を持っていないかルーペで慎重に見分けた。
さてこうした結果をまとめると、丸くなるときには〈ピンチのとき〉ということが分かった。丸くならないときは〈大丈夫だな〉というときだとまとまった。ピンチのとき（＝危険）という表現が、子どもらしくていい。
「実験」と称して、ずいぶんひどいことをしてしまったので
と呼びかけ、それぞれ、思い思いの設計図を書かせた。
・観覧車、一度に６匹乗れる。
・レース場や滑り台のある遊園地。
・滑り台がある。
・迷路があって遊べるようになっている。
など、とても楽しそうなものがある一方
・土と葉っぱ。
・石と葉っぱで作ってあげる。
など、あまり手を加えないものもあった。こうした二つの異なった考えが出たので
とより深く考えてみることにした。
・ダンゴムシは自然のものだから、元々いたような場所がいい。
・最初と考えが変わって、元いた場所のようなところの方が、ダンゴムシは喜ぶ。
・最初はブランコだったけれど考えを変える。湿った土のところがいい。
このようにもともといた環境の方がよいという意見が大勢を占めた。そうした中
・ダンゴムシはピンチのときに丸くなるのだから、敵がいないようにしたらいいと思う。
という考えが出た。この授業中にも、アリに襲われて丸くなったダンゴムシがいた。
〈敵はいない方がいい〉
・敵がいると危ないから、敵がいないようにしてあげる。
・敵がいなければ、ダンゴムシは安心して暮らせる。
〈敵はいてもいい〉
・もしダンゴムシだけを守ってしまったら、今度はアリが困ってしまう。
・自然はダンゴムシだけのものじゃない。
・もしダンゴムシだけ守ったら、たくさん赤ちゃんを産んで、ダンゴムシだらけになっちゃう。
・敵がいてもダンゴムシはそのために丸くなるんだから、敵がいてもいい。
最後の天敵がいてもいいか？という議論は、私が予想していなかったものだった。食物連鎖にもつながる内容である。こんなに深いところまで考え、子どもってすごいな！と感動した。
■授業の感想
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．指導案