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電池のはたらき６

並列つなぎにいいところはないのか。

森竹高裕

　並列つなぎは、電池１個のときと変わりがなかった。並列つなぎには何もいいところはないのだろうか。並列つなぎのよさについて考えた。

電池１個と並列つなぎは何も変わらない。並列つなぎにいいところはないのだろうか？　（ない・ありそう・ある）　

　子どもたちの最初の予想は〈ない〉０人〈ありそう〉１０人〈ある〉４人であった。目に見えない電気の力であるので「ありそうな気がするけれどはっきりとはわからない」という子もいる。そんな子たちは〈ありそう〉を選んだ。

〈ありそう〉

• 電池が同じ向きになっているからいいところがありそう。
• 乾電池が２個入っているから何かありそう。
• 電池が２個あるから電池の数が違うから何かありそう。
• 並列つなぎとか直列つなぎという名前がついているから。

〈ある〉

• 並列は少しずつ電気が流れているから長持ちできると思う。
• 電池が２個あるから長続きすると思う。
• 少しずつ流れているから電池はすぐになくならない。並列はすぐに電気を使い切らないけれど直列はすぐに力がなくなってくる。
• 並列つなぎは１個で電気が少しずつ流れて、２個だとたくさん流れる。直列つなぎは一気に力を出すから、プロペラですぐに使っちゃう。並列つなぎは少しずつ出るから電池が長持ちする。

直列つなぎは電気の力が強い代わりに電池が長持ちしない。並列つなぎは電気の力は弱いけれど電池が長持ちするのではないか。

　こんな予想を子どもたちは立てた。そこで直列つなぎと並列つなぎの回路にそれぞれ豆電球を取り付け、どちらが電池が長持ちするが比べてみることにした。

直列つなぎと並列つなぎでは、どちらの方が電池が長持ちするか比べてみよう。

１１：００に実験を開始した。直列つなぎは「ピカーッ！」と勢いよく輝いている。並列つなぎの明かりとは歴然の違いであることが一目瞭然である。２：３０ころ直列つなぎの明かりが消えた。やはり、並列つなぎは電池が長持ちすることが確かめられた。

　並列つなぎの回路では、電気の大きさはどうなっているのだろう。

　並列つなぎで電気の流れる量が、アで１０のときイではいくつだと思いますか？

「５」とすぐに返事が返ってきた。
　・並列つなぎで１０の半分は５だから。
　・アまでいくと電気は合体して１０になるので、それまでは半々になっている。
　・はじめは５の力で出て行って半分の５ともう一つの５が合体して１０の力になると思う。
　・最初は５の力でだんだん合わさって１０になると思う。

　そこでアとイに検流計を置いて測定してみると、ア：７０ｍＡ、イ：３３ｍＡという結果であった。アの半分がイとなっていることが確かめられた。次にウについて考えた。

ウのところで電気の力はイと同じくらいだろうか。イより少ないだろうか？

〈イより少ない〉１１人

• 道を通って電気を光らせるから電気の力は減る。プロペラを回すから力は減る。
• イとウが同じなら、ずっと電気は減らなくてぐるぐる回って電気は永遠に残ることになる。でもそんなことはないからイよりは少ないと思う。
• ゲームとかやっていると電気はいつかはなくなる。それだからウでは電気の力は減っている。
• プロペラが回っているからイよりもっと少ないと思う。

〈イと同じ〉５人

• プロペラを回して電気を使っているけれど−極に戻るときには回復して同じくらいになっていると思う。
• プロペラで電気を使うけれど、また戻ると思う。
• 電気が戻ってくるときにだんだんもとの数字に戻ってくる。

　そこでイウに検流計を置いて調べてみた。イ：３６ｍＡ、ウ：３６ｍＡと全く同じであった。〈イより少ない〉派は「なんでー！」〈イと同じ〉派は、「やった」と小さくガッツポーズ。電気が流れる量は、始めも後も変わらないのである。