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わらぐつの中の神様 １

いつの時代の話か？

森竹高裕

この物語は、マサエのおじいさん・おばあさんが結婚するときの物語である。心を込めて編んだわらぐつの中には、使う人の身を思う心が入っている。それは神様入っているのと同じなんだ、というお話である。
　この物語のテーマは、・「見かけ」と「本質」の対立があり、ものの外見に惑わされやすい若い娘がものの本質を大切に考える若い大工に心を動かされていく物語の時代設定は古く感じるが、現代にも十分通じる話だと感じた。ものの本質って何だろうと考えさせられる物語である。

班の人で一行読みをします。（句点から句点までを読む）順番ではなく、読みたい人が自分から進んで立ち読んで下さい。同時に二人以上の人が立ったときは譲り合って下さい。

　指名なし討論をするためのファーストステップとして、班ごとの音読を行った。一通り読み終わったところで、

この物語を３つの場面にわけて下さい。どこでわかれると思いますか。

　場面ごとに空白部分がとられているので、子どもたちはすぐに３つに分けることができた。
　・一の場面：　１〜　９
　・二の場面：１０〜３９
　・三の場面：４０〜４６

それぞれいつの時代の話だと思いますか。（現在か過去か未来か）

　この物語は、一の場面と二の場面が入れ替わっている。時代をはっきりさせるために、時間の流れを検討させた。
　一の場面：現在、三の場面：現在は、一致したのだが、判断に迷ったのが二の場面であった。４０段落が議論の中心になった。
　
４０：「−−それからわかい大工さんはいったのさ。使う人の身になって心をこめて作ったものには神様が入っているのと同じこんだ。〜神様みたいに大事にするつもりだよ、ってね。どうだい、いい話だろ」おばあちゃんは、そういってお茶を飲みました。
　
　この文が議論の中心になった。過去のことだ、現在のことだと両方の意見が出された。
< 過去 >
　・昔の若者が言っている言葉なんだから、過去のことだと思う。
< 現在 >
　・最後に「ってね」とついている。だからこれはおばあちゃんが言っている。だから現在。
　・「おみつさんは幸せに暮らしたんだね」とあって、過去のことだから前もそう。
　・３９までは、過去にタイムスリップしたみたいで、４０はおばあちゃんの言葉。
　
　このような意見が出され、４０は現在ということがはっきりしてきた。