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大きなお風呂

イメージを豊かに膨らませて

森竹高裕

有賀連「赤い鳥」に発表した童謡で「大きなお風呂」という作品で、クイズをしながら詩のイメージを広げていく授業をおこなった。まず
「誰も知らないところです」
黙って黒板に次のように書いた。「なんだ、なんだ」と見つめている。

どんなところでしょう

答の予測がつかないので、当てずっぽうに答えていた。
・きっと遠いところ
・静かなところ　　　　・宇宙

いくつか出たところで、また続きを書いた。
「とても大きなお風呂です」
子どもたちの顔がほころんだ。いつものようにワイワイしはじめた。

どのくらい大きなお風呂だろうね

と尋ねてみると

・５人くらい入れるよ　　　
・もっとだよ、きっと１０人
・もっともっとだよ、だって誰も知らないところのお風呂なんだもん。百人くらい入れるんじゃないか

「月はひとりではいります」
子どもたちは騒ぎをやめた。しん、とした。きっと予想外のことであったのだろう。ここまでを静かな調子で朗読した。

誰も知らないところです
とても大きなお風呂です
月はひとりではいります

子どもたちはそれぞれにイメージを浮かべているのでしょう。私はまた続きを黒板に書いた。
「月があがったそのあとは」
子どもの微笑みがとてもかわいらしい。

この後どうなるだろうね

子どもたちはこれには答えず、早く答えを書いてほしいと言った目をしていた。
「星がみんなではいります」
わあ、という声があがった。

これはどんなところにあるお風呂なんだろう

と私が問うと
・このお風呂は海だと思います
・違うよ池じゃないの
・山の中にある、湖の方がすてきだと思う。

あなたはどんなお風呂だと思いますか。このお月様はどんな色・形・大きさのお月様だと思いますか

自分の頭に浮かんだイメージをそれぞれ絵に描きあらわした。