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海の命１

ひとこと作文を並び替えよう

森竹高裕

　単元の初発であらすじを読み取る学習をおこなった。物語を１〜２回読んだ段階で、教師の作成したひとこと作文を提示し、あらすじの把握をおこなった。

次のひとこと作文は、どのような順番に列びますか？　教科書を見てもいいので、まずは一人でやってみましょう。

　Ａ 太一は、子どもの頃から漁師にあこがれていた。
　Ｂ 太一は、父がクエを捕ろうとしてこときれたことを知る。
　Ｃ 太一は、与吉じいさの弟子になり瀬に出るようになった。
　Ｄ 太一は、与吉じいさから村一番の漁師と認められた。
　Ｅ 太一は、もぐり漁師となり父の海にやってきた。
　Ｆ 太一は、父を破った瀬の主であるクエと出会った。
　Ｇ 太一は、瀬の主であるクエを殺さなかった。
　Ｈ 太一は、村一番の漁師であり続けた。

　個人の作業が終わったところで、学習グループ→一斉　と検討した。
今回のひとこと作文は、どのグループも正しい順番に並び替えることができた。グループごとの考えが違った場合には、一斉授業への検討へ移っていく。

　並び替えができたところで

どこからどこまでが何の場面になるか場面ごとに分けよう。

　今回は、並び替えが順調にできた。下記は班ごとの意見が分かれるための代案である。

　Ａ　太一は、水の中でほほえんで、口から銀のあぶくを出した。
　Ｂ　太一は、もぐり漁師となり、父の海にやってきた。
　Ｃ　太一は、村のむすめと結婚し、村一番の漁師であり続けた。
　Ｄ　太一は、海に帰っていった与吉じいさに両手を合わせた。
　Ｅ　太一は、「千匹に一匹でいいんだ。…」という与吉じいさの独り言を聞いた。
　Ｆ　太一は、与吉じいさから村一番の漁師だと認められた。
　Ｇ　太一は、与吉じいさの弟子になって海に出た。
　Ｈ　太一の父は、ロープを体に巻いたまま、水中でこときれていた。
　Ｉ　太一は、背中に母の悲しみさえも背負おうとしていた。
　Ｊ　太一は、父を破った瀬の主であるクエと出会った。