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わらぐつの中の神様２

大工さんは、いつおみつさんのことを好きになったのだろう

森竹高裕

　子どもたちの疑問の中に「大工さんは、おみつさんのことを好きだったから、わらぐつを買ったのかな？」というものがあった。そこで大工さんの気持ちについて考えてみた。

大工さんは、おみつさんのことが好きなのだろうか。

　・だんだん好きになった。
　・ＬＯＶＥ　愛している。　エル・オー・ブイ・イー・ラブ、愛してる

　ＬＯＶＥという言葉が出るたび「きゃっ−」と声が上がり、照れ笑いをしている。中には恥ずかしくてはにかむ子も。なんと可愛らしいことであろう。大工はおみつさんのこと好きだったことを確認したところで、

大工さんがおみつさんのことをいつ好きになったのだろう。

　わらぐつを買った回数別では、〈０〜１回〉８人　〈２〜４回〉８人　〈５〜６回〉１１人。それぞれの立場の意見を聞いてみた。

〈０〜１回〉８人

• １回目。“さっさと行ってしまいました”ということが恥ずかしかったと思う。
• 大工さんは、おみつさんの顔って「きれいだな」と思い、そのわらぐつを買おうと思ったんじゃないか。
• “まじまじと見つめました”と書いてあるから、その時から好きになった。
• １回目にわらぐつを買ったとき、わらぐつがとても丈夫で良いわらぐつだったから、好きになった。

〈２〜４回〉８人

• “次の日も次の日も”たくさん買って、おみつさんの顔をみたいから。
• “あんまり待たないうちに声をかけられた”早くおみつさんを見たいから
• “ちょっと赤くなったの”の少し前くらいから好きになったと思う。
• １回目はわらぐつのほうが好きだったけれど、２回目から気になってきた。３回目は好き。

〈５〜６回〉１１人

• ５回目。６回目には顔が赤くなったから。その瞬間に好きになることは無い。
• ６回目。好きだから何回も来たと思う。“見つめながら”“ちょっと赤くなり”
• ６回目にプロポーズしたから。
• 赤くなったりおずおずと差し出したから。

こうした話し合いをしていると、
　・大工さんは、初めて会ったときからおみつさんのことが好きなんじゃないだろうか。
という疑問が出された。大工さんは、おみつさんに一目惚れをしてしまったのだろうか。

大工さんはわらぐつを買う前から、おみつさんのことが好きだったのだろうか。

　この問題は、たいへんおもしろい問題になった。子どもたちは、嬉し恥ずかしで討論を楽しんでいるといった感じだった。

〈買う前から好きだった〉８→１１人

• “村中の人たちから好かれていた”とあるから、大工さんもおみつさんのことを知っていて、一度おみつさんを見に行ってみようと思っていた。
• “まじまじと見て”いるから、好きでないと見ないと思う。
• 最初は「いいわらぐつかな？」と思って来ていて、よく見たら「可愛い」と思って好きになった。
• おみつさんの顔を“まじまじと”見つめて、おみつさんがどんな人か知りたかった。

〈買った後から好きになった〉

• もしおみつさんのことが好きできたから、野菜も買えばいい。
• 大工さんはわらぐつを買う前に、赤くなったりしていない、
• 買う前から好きだったら、もっと長い大人時間いるんじゃないか。
• 村の人たちの話を聞いて、大工さんは気になっていたと思う。

〈好きだった〉〈後から好きになった〉のを双方から〈大工さんは、おみつさんのことを気になっていた〉という考えが出て、みな納得できたようだ。この瞬間から、というのは分からなかったが、おみつさんことをを気にしながら、最初の買い物をしたことが分かった。