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わらぐつの中の神様１

　おばあちゃんは、どうしてマサエにわらぐつの話をしたのだろう

森竹高裕

　書きこみ学習後

おばあちゃんは、どうしてマサエにわらぐつの話をしたのだろう。

　Ａ．わらぐつには、神様がいることを信じてほしかったから。
　Ｂ．わらぐつの良さを知ってほしかったから。
　Ｃ．おじいちゃんとの出会いを教えたかったから。
　Ｄ．心をこめて作ることの大切さを教えたかったから。

　Ａが一番子どもたちの支持を集めていたのだが、話し合っていくうちに

ＡとＤは同じことなのではないだろうか。

という疑問が生まれてきた。

　・心も込めないと神様がいないのだから、ＡとＤは同じような感じがす
　　る。
この意見には多くの共感を得た。
　・心を込めたわらぐつだから、そのわらぐつの良さを知ってほしかった。
　（だからＢも同じ）

　このように、それぞれが共通するところがあり、どれも間違いがないという結論になった。

　次に考えたのは、「−−。」（ダッシュ記号）である。ここにおみつさんの気持ちが隠れていた。

２９・３０段落の「−−。」（ダッシュ記号）には、おみつさんのどんな言葉（気持ち）が入るのだろう。

　おみつさんの気持ちを自由に書かせると、

２９段落
　・すみません。もっとうまく作るようにします。
　・買って下さい。
３０段落
　・でも一所懸命に作ったんです。
　・ちゃんと売れるといいな。

など自信がありそうなもの、自信がなさそうなもの、といろいろである。そこで、

おみつさんにはわらぐつ売れるという自信があったのだろうか？

２９段落では〈自信がない〉で一致した。

〈自信がない〉
　・２８段落で「わらまんじゅうみたい」と言われた。
　・２８段落で「不細工なわらぐつを見つめて」とあるから。
　・２９段落には「赤くなりながら」「おずおずと」とある。

３０段落では、考えが分かれた。
〈自信がない〉

• 不細工なわらぐつを履いて、足を痛めてしまったらどうしようと思った。
• 本当はもっとうまく作りたかったけれど、できなかったから。

〈自信がある〉

• ３０段落では「けど−。」が文が終わっているから、この後に続くのは自信のありそうな言葉だと思う。
• 大工さんに「見せてくんない」と声をかけてもらったから、自信がある。全然だめなら声もかけてもらえないはず。
• おみつさんは朝市にわらぐつを持っていたのだから、少しは自信があったと思う。

〈自信がある〉と考えたこの方が多くいた。そこで「おみつさんがこうした自信を持っていたのは、作る時にどうしたからですか？」と問うと、
　・心を込めてつくったから　という返事が返ってきた。