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５年生になり新しいメンバーで１年間が始まった。５年生になって１週間たった感想を書いたところ「新しい友だちができた」と書いてあった子が大きく見受けられた。そんな新鮮な気持ちを持っている子どもたちにぴったりの教材を学習した。
家族の都合でイギリスに転向していったまりちゃんが２年ぶりに戻ってきて、また同じクラスになれた。なんだか前と違う…。私の知っているまりちゃんではないような気がしてしまう主人公（ひろ）のそんなわだかまりを別の同級生が解きほぐしてくれた。「野中を新しい野中と思えばいいんじゃないの」という男の子の一言で、新しい友達だと思えばいいことに気づき、気持ちが軽くなったという物語である。
まずは、まりちゃんとひろの気持ちが、文章のどんな所に現われているかを探した。
ひろ（主人公）の主な気持ちの変化
・まりちゃんがいなくなると、教室がすうすうする感じがした。
・２年ぶりの本物のまりちゃんに、自然の顔が笑ってしまうのが自分でも分かった。
・（まりちゃんが、もっとはきはきした女の子になったことは、すごく嬉しいことなのに）素直に喜ぶことのできない自分に気がついて、私は自分が少しいやになる。
・ほんの少し気持ちが軽くなって、ありがとうと思った。
・楽しくて、気持ちがよくてたまらなかった。
・その夜、あしたのしたくをしながら、わたしはふふふと笑ってしまった。
まりちゃんの主な気持ちの変化
・まりちゃんもちっちゃく笑った。
・ずっとなんだか違うみたいな気がしてたんだもん
・顔を見合わせて、わたしたちはわらった
このように二人の気持ちが分かってきたところで、この物語のキーワードになっている「新しいまりちゃん」ついて尋ねてみた。
〈新しいまりちゃん〉５人
・もう引っ越して２年たっているし、“もともとはきはき元気だったまりちゃんは、もっとはきはき元気な女の子になっていた”と書いてあるから、新しいまりちゃんに成長していると思う。
・ロンドンから帰ってきて、成長したと思うから
・転校してしまった後、当分会っていないから新しいまりちゃん
〈前のまりちゃん〉
・坂本君に「新しいまりちゃんだと思えばいい」って言われてから、新しいまりちゃんだと思っている。まだ坂本君に言われる前だから、前からのまりちゃん。
・帰ってきたばかりのまりちゃんだし、新しいまりちゃんは学校で起きたことだから、玄関の前に立っているまりちゃんは、前からのまりちゃんだと思う。
・「あたしはあたしだし、ひろはひろでし」と書いてあるから。
意見交換をしてみると、
・“２年ぶりの本物のまりちゃん”と書いてあって“本物”ということは、前とは変わっていないということだから。
・ｐ１０に“また”とあって、「また」というのは新しいとか、初めてという意味ではないから前からのまりちゃん。
という考えが出されて〈前からのまりちゃん〉ということになった。