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一つの花 8

お母さんの気持ちを考える

森竹高裕


 前回は、お母さんがゆみ子をあやす場面を学習した。ゆみ子をあやすお母さんの行動から、お母さんの気持ちについて追っていこうと考えた。まず全員で文章を読んだあとに

お母さんは、お父さんが戦争に行くことになって嬉しかっただろうか。

と、尋ねた。この質問については、すぐに全員の考えが一致するだろうと思ったが、 < うれしい > と最初に考えたのは、2人だった。
< うれしい > 2人

 迷いに迷ったSくんは < うれしいとうれしくないのまん中ぐらい > という考えを出した。お父さんの「戦争に行かなければならないけれど、家族とは別れたくない」というジレンマがよくわかるすばらしい発言だった。
 
< うれしくない > 1人

それでもお母さんは、ゆみ子をあやし続けている。そこで

お母さんは誰のために、ゆみ子をあやしているのですか?

と、尋ねてみた。この質問にはみんな「ゆみ子に決まっているじゃん。先生は何いってるの?」といった感じで
 ・ここには泣いているのがゆみ子しかいない
 
と、みんなでうなづきあっている。私はここで「そうなのかあ。ゆみ子は小さいんだから別にあやさなくてもなかしていればいいんじゃないの」と発言すると、このあとお母さんは、お父さんのためにゆみ子をあやしたという考えが出てきた。
 
< お父さんのため > 4人

と言うように、単にゆみ子だけのためにあやしているのではないことに気づいた。お父さん、お母さんの顔の表情を聞くと、全員が「にこにこしているけれど心の中では泣いている」と言うことで意見が一致した。


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