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４年「ごんぎつね」７

ごんと兵十、悪いのはどっちか？

森竹高裕

自学ノートを見ていると、面白い問題があったのでみんなで考えることにした。

ごんと兵十は、どっちが悪いか

〈兵十〉　１３人

• いたずらだったら人は死なないけれど、殺すと生き物は生き返らないから。
• ごんも悪いが殺さなくてもいい。
• 兵十は、動物を虐待したから。
• 兵十は殺すという最悪なことをした。
• ごんが死ぬから。

〈ごん〉　１０人

• ごんがいたずらをしなければよかったのに、うなぎを盗んだ。それにいたずらをしなければ殺さなかったと思う。
• そんなことをしなければ、この話は始まらなかった。
• ごんがこんなことをしなかったら、兵十は火なわじゅうでうたなかった。

〈どちらとも言えない〉　８人→２２人

• 兵十が火なわじゅうでごんを撃ったのはごんが悪いことをしたからで、でもごんがつぐないの気持ちでやっていたし、兵十もそれを気づかないでごんを撃ってしまったから。
• ごんは償いをしたのに、誤解されて打たれて死んでしまったから。
• 【つぐない】の意味を調べたら、［埋め合わせ］とあって、ごんは悪いことをしたけれど栗とか松たけを運んでいた。でも兵十に気づいてもらえずに撃たれたから。
• 最初にごんは兵十のうなぎをとって、最後に兵十が火なわじゅうを出してごんを殺した。だからどっちもどっち。
• ごんは償いをしたのに殺されたから。
• いたずらばかりしていたごんは悪いきつねだった。でも兵十に償いをしようといいきつねになった。いいきつねなのに兵十は撃ってしまったから。

話し合っているうちに〈どちらとも言えない〉が多くなってきた。　“誤解している”　“わかってもらえない”　という発言があったので、その言葉に注目させることで、この問題を解くことにした。こうすることで物語のテーマに迫っていくことができる。

ごんきつねのなかで兵十が誤解しているところ、ごんがわかってもらえないところはどこですか？

ごんぎつねという作品は、ごんと兵十がお互いの気持ちをわかり合えなかった悲しみがテーマとなっている。ごんは兵十のためによかれと思って償いをする。しかしその償いはときに兵十がいわし屋に殴られてしまうことになる。ごんが栗や松たけを毎日運んでいることは、最後の日まで兵十に知ってもらうことができなかった。こんな両者の心のすれ違いが読者をより惹きつけるのであろう。
さて物語の中から見つけたこと兵十のすれ違いは、

このような心のすれ違いが見つかり。そこでもう一度考えてみた。

ごんと兵十は、どっちが悪いでしょう

こう改めて考えてみると、ごんと兵十、どちらかが一方的に悪いということは言えそうにもない。お互いの心のすれ違いから起きた悲劇である。ごんと兵十のうち、悪いのはどちらとも言えない、ということで話がまとまった。