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夕鶴 1

第一次感想

森竹高裕


「夕鶴」は戯曲「夕鶴」をもとに木下順二氏自身が子どものために書いた作品である。主題を、人間の本当の純真さ善良さとは何かと私はとらえた。
 
 つうは、ただ恩返しによひょうのところへお嫁に来たわけではない。よひょうの人柄(正直・働き者)が好きでお嫁に来たのである。「いつまでも一緒に暮らしたい」と思ってきた。ところがよひょうは、人間が誰でも持っている欲のために変わってしまう。つうはその心変わりを、献身的に必死でくい止めようとする。身を細らせて以前のよひょうに戻るよう祈るのだが、祈りは通じない。よひょうはついに、つうの本当の姿を知ってしまう。
 しかし、よひょうもまた、純粋性←→欲望のはざまに立ち苦しんだ。「たくさんお金をもうければ、つうを幸せにしてあげられる」という人間として当たり前の願いを持つ。
 2人の望みは、よひょうと暮らしたい←→つうを幸せにしてあげたい、というように一致しなくなった。愛すれば愛するほど一緒に暮らしたいと願うほど、2人の食い違った行動が別離に向かわせていくのである。
 
 まず最初に、この作品を読んで感想を書いた。子どもたちの読みが深いものがあり驚いた。

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