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ジュースの中味は？

〜にせジュースで知る食品添加物〜　

森竹高裕

市販されているジュースには、食品添加物が加えられているものが多い。またそれに合わせてたくさんの砂糖も加えられている。多量のジュースを毎日飲むことは体によくないことが言われている。

毎日たくさんのジュースを飲むことは、いろいろな面で体によくないことをにせジュース作りを通して教えた。まず最初に、食品添加物で作ったにせジュースを見せた

誰か飲みたい人はいませんか

冷たく冷やされたジュースを見ただけで子どもたちは大興奮。「のみたいのみたい」と近寄ってくる。「このジュースを飲んでみたいですか」と尋ねると「飲んでみたーい！」の大合唱。「では今から作り方を教えますから、よく聞いていて下さいね」と説明を始める。

まず、水を入れます。次はイチゴの色をつけましょう。これは石油から作った合成着色料で「赤色１０２号」と「黄色４号」です。スーパーで１つ９５円で買いました。（食紅）

　イチゴの色だと思っていたものが実は石油からできていることを知らせる「えー」の声があった。意外、といった感じだった。

次にイチゴの香りがほしいですね。これは合成着色料のイチゴエッセンスです。スーパーで１つ１４３円です。

このエッセンスももともとは石油からできていることを付け加えた。「また石油なの」イチゴの香りだと思っていたものが実は石油からできていたことに驚く。

では味つけをしましょう。まず酸っぱい味。酸味料のクエン酸を入れます。このクエン酸はどこで売っていると思いますか

　・スーパーマーケット　
　・ジュースやさん

子どもたちは、当然食べ物やさんに扱っているものだと予想した。しかしクエン酸は食べ物を扱っていない薬局にあることを知らせた。

クエン酸は薬局で１本２５０円で売っています。最後に甘みがほしいですね。この砂糖（８ｇ入り）をどれくらい入れたらい　いと思いますか

　・一袋ぐらいじゃない
　・もう入れなくていいよ

紅茶やコーヒーなど普通は１袋入れるので、その感覚で答えていた。しかし、実際はもっとたくさんの量を入れないとおいしいとは感じない。一袋ずつ入れながら、おいしくなったかどうか味を見ていった。一袋では当然のごとく砂糖はたりない。

砂糖は４袋（３２ｇ）入りました。ようやくイチゴジュースのできあがりです。

　・ジュースって甘いんだな
　・虫歯になっちゃうよ

砂糖が多量に使われていることに、気づいたようである。このようにジュースには、さまざまな添加物が使われていることを話した。食品添加物についての話をしたあと、食品添加物のＶＴＲを見せる。ビデオの内容は、にせジュースの作り方、チクロの胎児への影響、お菓子に使われている着色料、といったものである。

自分の持ってきたジュースの中に、食品添加物が入っていたか、調べてみよう。

子どもたちは家から、ジュースの空き缶を持ってきている。缶にはどんな成分が使われているか表示されているので、使われている食品添加物を見ていった。項目は、次のものである。

　・着色料
　・着香量
　・酸味料
　・甘味料　
　・果汁

調べ終わったら、全員の結果を一覧表にした。「ジュースの中には、こんなにも食品添加物が加えられているんだね」というつぶやきが聞かれた。最後に、イチゴだけで作った果汁１００％のジュースを見せる。

あなたは、にせジュースとイチゴジュースのどちらを飲みたいですか。紙に理由も書こう。

　・にせジュースは薬だけでできている。
　・にせジュースは、体にいいことがないし、気持ち悪い。

子どもたちのほとんどが、果汁１００％のジュースを飲みたいという考えだった。お店で売っているジュースは毒ではないが、それをたくさん飲み過ぎることは体によくないことを話して授業を終えた。