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思春期へのメッセージ３

　 〜男の子・女の子〜

森竹高裕

性教育の３回目は「男の子・女の子」という主題で授業をおこなった。男の子、女の子の性器の違いや大切さに気づき、お互い仲よくしていこうという気持ちを持つのがねらいである。まず最初に、男の子と女の子のシルエット（影）だけの絵を見せて、

この子たちは男の子でしょうか？女の子でしょうか？

姿かたちが黒いので、絵を見ただけではどちらが男の子か女の子かが全くわからない。子どもも適当に
　・左は毛が三本あるから男だ
　・これだけじゃ、よくわからないよ

などといっている。そこで

男の子か女の子かがわかるためには、絵の中の何を見ればわかるでしょう。

と尋ねると、何とも嬉しそうに「あ・そ・こ」「あそこってどこ？」ととぼけると、たまりかねたのか「おちんちん」「キンタマ」などと、景気よい声が返ってきた。子どもたちの意見は
　・おちんちん
　・キンタマ
　・髪の毛
　・指　輪
　・服（ズボン、スカート）

といったものがあげられた。明るく大きな声で「キンタマ」と叫ぶのは性教育ならではである。こんな普段あまり使えない言葉を明るく自然に使えてこそ、明るく自然に性を語れるのだと考える。

さて、先ほどの意見をもとに、黒い影の部分の画用紙をはがしていった。下の絵が現れる仕組みになっている。でもやっぱり男の子か女の子かがはっきりとわからず、髪・服装だけでは決定できないことがはっきりした。やはりおちんちんを見るしかないのである。そこで、服をとるとかわいらしいおちんちんが現れ、一同「きゃー」と声があがった。さて、今度はその性器について考えた。

みんなはパンツを毎日替えていますか？パンツを替えるのはなぜでしょう。

全員の子がパンツを毎日替えている、と答えた。上着は少しぐらいなくても、毎日は洗わないのにパンツは毎日替えるよねと尋ねていくと

　・おしっこが汚いから
　・ゴミがつくから
　・お腹に毒がついて腐っちゃうと困る
　・おちんちんを清潔にする
　・一番大事なところだから
　・女の人は赤ちゃんを産むところだから

などが出された。大きくわけて「清潔」の面「大事なところ」の面があげられた。バイ菌などから身体を守るのももちろんそうだが、人間の体の中で一番大切なところ、という面も忘れることはできない。そこで、絵を使って、性器の働き・大切さについて話をした。
（絵：赤ちゃんの宮殿、おちんちんのしくみ）

女の人には、お腹にとってもすてきな赤ちゃんの宮殿があります。男の人には、おちんちんに赤ちゃんを作るもとがありますだから叩いたり、けったりすると赤ちゃんによくないのです。

このような説明のあとに

男の子や女の子にしてはいけないことは何でしょう。

とお互いに気をつけるべきところを身体と心の両面から考えた。

　　　　身体について　　　　　　　　心について　　　　　
　　　　　・殺す　　　　　　　　　　　・意地悪を言う　　
　　　　　・お腹を蹴る　　　　　　　　・悪口を言う　　　
　　　　　・ものを投げる　　　　　　　・嫌なうわさを言う
　　　　　・顔をたたく

上のような内容が出された。お互いを尊重しあえる気持ちを育てていきたい。