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２年間で９回にわたって性教育の授業をおこなった。思春期の入り口に立つ子どもたちはメッセージを送りたいと願った。 １〜２ヶ月ごと授業をおこない性に対する理解を少しずつ深めていった。
一番最初に取り上げたのは、自分が生まれたときのことである。この授業でわたしが子どもに望んだのは次の２点であった。
・自分は赤ちゃんのときから、家族に大切に育てられていることに気づく
・お母さんから手紙をもらったり、お母さんに手紙を書くことによって、より親子の絆を深めてほしい
まず最初に、赤ちゃん人形を抱いてみた。
・今度産まれてくる赤ちゃんのいい練習になるよ
といいながら、楽しそうに赤ちゃん人形を抱いていた。この人形は沐浴人形といい、大きさや重さが本物の赤ちゃんと同じように作ってある。保健所の母親教室などで使われており、申し込めば貸してもらうことができる。子どもたちは、大切に人形を抱いているので、次のように尋ねた。
・そおっとしないと血が頭に上っちゃう
・泣いちゃう
・かわいそう
赤ちゃんは大切に扱わなくてはいけないことを言っている。そこで、この間出産したＮ先生のお話を聞くことにした。
日記をつけていたり、病気のときは心配で涙が出そうになったりなど、子どものことを大切にしているというお話をして下さった。次に、
・七五三でおめかしをしている
・遊園地に連れていってもらった
・水ぼうそうで入院したときに心配してくれた
いろいろと持ってきた写真の中で、自分もまた家族に大切にされていたという証拠になるようなものをたくさん見つけることができた。自分が大切にされているという証拠を見つけて、ホッとしたような表情を見せた。そこでなぜ自分は大切にされているかを想像することにした。
・自分（私）のことがかわいいから
・他の子もいいけれど、うちの子が一番だと思っている
このように予想をしたあと、一人ひとりに手紙を配った。
子どもたちはじっと手紙を読んでいる。短い文であっても何度も何度も読み返していた。中には涙ぐんでいる子もいる。お母さんからの手紙が本当に嬉しかったようだ。しみじみとした感じで授業が終わった
（親からの手紙）