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学級目標を決めよう

森竹高裕

クラス替えをしてしばらくたったところで学級目標を決めた。本校の重点目標は「見つけ・考え・実行する子」といい口に馴染みやすい。このように学級目標も覚えやすく、言いやすいものにしたいと考えた。

まず最初に、次のように尋ねた。

学校のめあては、何というめあてか知っていますか？

毎朝の放送でも言っているので、覚えている子が何人かいた。
　・確か「見つけ、考え、実行する子」だよ。

次に

２年２組のクラスの目標を決めたいんだけれど、どんなのがいいと思いますか？

２年生では、クラスの目標と言われても、とっさには思い浮かばないようで
あった。そこで、いくつか尋ねてみることにした。
　「いじめのあるクラスは？」「だめー！」
　「ケンカが多いクラスは？」「だめー！」
　「じゃあ、泣く人が多いクラスは？」「だめー！って、言ってるじゃん」

駄目な例をいくつか出していくと、だんだん言いたいことがはっきりしてき
たようである。

　・なかよくするクラス　・楽しくするクラス　・弱い者いじめをしない
　・ケンカをしない　　　・友達となかよし　　・しっかり勉強する
　・明るいクラス　　　　・優しいクラス　　　・独り占めしない
　・嫌なことをしない　　・嘘をつかない　　　・「はい」って言う
　・元気なクラス　　　　・ずるをしない　　　・走ったりする
　・人の体の上に乗らない　　　　・仲間外れのないクラス
　・いじめたりしないクラス　　　・駄目って言われたら止める

このようにたくさんの候補が出された。もちろん全部を盛り込むことができない。盛り込もうとすれば、長くて覚えにくくなるし、毎年同じような目標になってしまう。そこで

どれもいい目標だよね。でも、全部を入れることができるかな？　目標の中に全部を入れたらどうなるか、声を出して読んでみよう。

初めはそろっていた声も、どんどんバラバラになっていった。初めは心一つでも、最後になったらみんなバラバラ。何だか、いやな予感がする。全部を目標に盛り込むと、言いにくくなってしまうことを確認してから

ここに出てきた目標を < 心 > と < 勉強 > と < 運動 > に分けてみましょう。みんなの考えた目標は、どれが一番多いと思いますか？

「心・技・体」という言葉がある。子どもたちから出された目標が、心技体のどれに関係するのかを考えさせた。子どもたちは、「心が一番多いと思う」と予想した。

< 心 >
　・仲良くする　　　　・楽しくする　　　　　・弱い者いじめをしない
　・ケンカをしない　　・友達となかよくする　・明るい
　・優しい　　　　　　・いじめたりしない　　・独り占めしない
　・元気な　　　　　　・仲間外れをしない　　・嫌なことをしない
　・嘘をつかない　　　・「はい」って言う　　・ずるをしない

< 勉強 >
　・しっかり勉強する

< 運動 >
　・人の体の上に乗らない　・走ったりする

このように分類してみると圧倒的に < 心 > が多いことが分かる。心の中でもいくつかにわけることができそうである。

こうやってみると、みんなは心が一番多いね。みんなは心を大切にしたいクラスにしたいのかな？

こう聞くとみんなが、コクッとうなづいた。そこで

心の中にも、似たものがありますね。似たもの同士を合わせて合い言葉のようにできないかなぁ？

黒板に書かれた目標を色チョークで囲いながら仲間わけした。「ああだ、こうだ」ワイワイ言いながら、まとめていった。すると

　・楽しくする・なかよし・明るい
→　にこにこ

　・弱い者いじめをしない　・ケンカをしない　・いじめたりしない
　・嫌なことをしない　　　・嘘をつかない　　・「はい」っていう
　・元気な
→　はっきり

教師も手助けをしながら、２つを決めた。残ったもは次である。
　・友達となかよくする　・優しい　　　　　　・独り占めしない
　・元気な　　　　　　　・仲間外れをしない

「最後のはどうしよう？」というと「やさしい子！」という元気な声が自然と出てきた。ということで２年２組の目標は、「にこにこ　はっきり　やさしい子」に決定した。

いい目標ができたね。２年２組の目標「にこにこ　はっきり　やさしい子」をみんなで言ってみよう。

みんなで元気よく決まった目標を声に出した。このあと、学級目標を教室前面に掲示した。目標の回りは、各自のお面で囲った。