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「命」についての学習をした。次のことを子どもたちと一緒に考えた。
・命は何よりも大切なものであること
・命はお金にかえることはできないものであること
・命の価値はみな同じものであること
まず最初に、次のように尋ねた。
・命はお金では買えない
・命と命の交換ならいい
・心があるから人間というので、心（命）がないと人間ではない
子どもたちは「当然た」という感じで答えた。そこで自分たちの身の回り、本当に命には値段がついていないか確かめをした。
・木 ・犬 ・ねこ ・ペット ・かぶと虫 ・バッタ
など、自分の身の回りを見直してみると、たくさんの命に値段がつけられていることがわかる。
人間の場合については、どうであろう？子どもたちに、交通事故の時などは保険金や買収金を支払われることを聞かせた。その話を聞いて「何で人間に値段がついているのかなあ？」というつぶやきが聞かれた。そこでその賠償金について考えてみることにした。
実際に交通事故があった場合、賠償金としてお母さんには約４０００万円が支払われることを話した。
< もらう > ３人
・お父さん、お母さんが死んでしまったら、一人で生きていかなければな らない
・命に値段はつけられないけれど、おおきくなって困る。でもお金だけで はすまないしなあ。
・形見にする。死んでしまったものはどうしようもない。
次にお父さんとお母さんでは賠償金の額が違うことについて考えた。
< 賠償金は同じ方がいい > ２人
・お父さんの方がずるい。お母さんと一緒ぐらいがいい。
・お母さんがかわいそう
< 賠償金は違ってもいい > １人
・お父さんは会社で働いているから
・お父さんの方がよく働いているから
・給料をもらってきて、そのお金でごはんを食べているから
このように考えが分かれた。私自身もどうすべきか正解を言えないまま余韻を残して第１時の授業を終わった。
< おかしい > ２人
・女の人が損している。女の人だって家の中の仕事をしている。
・おじいちゃん、おばあちゃんは四国の同じ会社で働いていた。
・女の人だって、同じように働いている
・のら仕事とか警官は同じ仕事をしている。先生もそう。
自分の家のことを例にあげて「おかしい」と考えた子がいた。理由を聞くともっともである。男の人と女の人は働いているけれど、仕事の内容に差があるか、ということになった。また、男女同じように働く職場があることを指摘する子もいた。男女同じように働いている職場もあるのに、どうして賠償金に差があいいのだろう。そこで、 < おかしくない > という子どもたちの考えを聞いてみることにした。
< おかしくない > ２人
・女の人は会社でお茶やコピーをとったりしているだけ
・ＯＬはパソコンを打ったり、外にあまり出たりしていないから
では< おかしい >の子たちの考えは
・男の人は一生懸命働いているから
・男の人は力強い（大切な）仕事をしていた、大きな建物をつくる。
・女の人はあまり働いていない。女の人が全員男の人と同じように働いて いるわけではない。
・結婚して仕事を辞める人もいるし、もう規則で賠償金の額は決まってい る。
さてここで、女の人にしかできないことについて考えさせた。家事、子育て、洗濯などが出されたが、それらは男の人でもできる。そのうち「わかった！赤ちゃんを産むことだ」と女の人は新しい命を生み出すことに気づいた。
赤ちゃんの話から、１６人の子どもがいる大家族の話でもりあがってしまった。しかしどの子も、 < 男の人と同じくらい価値がある > という点では一致していた。
< 赤ちゃんを産むことは男の人と同じくらい価値がある > ４人
・命がないと何もできない、買えない
・お母さんが生んで育ててくれた。他の人だって産んでもらった。
・女の人の方が男の人よりももっと価値が高いかも知れない。命がないと何もできない。
このように子どもたちは考えた。女の人も赤ちゃんを産み育てるという大切な仕事があるのである。でも現在の保険金制度では、上記のように男女差があるのである。