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初めて学校に眼鏡をかけてきた子

    

森竹高裕


初めて学校に眼鏡をかけてきた子がいました。でもちょっと恥ずかしくて教室でかけられないんです、と本読みカードに親のメモがありました。

朝の会で「Tくん、メガネを持っていらっしゃい。」
みんなの前でかけさせました。
恥ずかしそうにメガネをかけるTくん。

見ている子の中に、小さく手をたたこうとしている子がいました。そこで
「もし、メガネが似合っていると思ったら、大きく拍手をしてね」
すると学級に「おーっ」と大きな拍手が起きました。
鳴り続く拍手に、はにかむ笑顔のTくん。
「カッコイイよ」「頭よさそう」という声が次々とかかります。

「先生も目が悪いから、目の悪い人の気持ちはよくわかるよ。
 初めて学校にメガネをかけていった日、何て言われるかドキドキしました」
と自分が初めてメガネをかけた日のことや、
どうして近視になるのかレンズのしくみを話しをしました。

「もうこれで5年○組でTくんを冷やかす人はいません。
 もし他のクラスでTくんを冷やかす人がいたら、みんなで守ってあげてね」
とお願いをすると、子どもたちはこっくりとうなづきました。
以来Tくんは、ずっとメガネをかけています。
Tくんのメガネ姿を温かく受け止めることができたなと思いました。


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