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日高敏隆先生の名著「チョウはなぜ飛ぶか」に、チョウは決まった道を飛ぶとありました。アゲハチョウ科の蝶は、通る道が決まっているのだそうです。今まで気にしたことなどありませんでしたが、賤機山で観察すると、確かにそうです。数匹のナガサキアゲハが、木立の日なたと日かげの境目をチョウの道があるかのように飛び交っていました。
実際に飛ぶチョウの姿を見ていると、本で得た知識以上の感動がありました。光と温度の条件で、飛ぶ道は決まるのだそうです。日高先生は、小学生のころに抱いたこの疑問を、一生をかけて追い続けました。
よく見ていると、見えないものが見え、きまりがわかるのですね。この感動を、どう子どもたちに伝えるのか。ここからがボクの仕事です。