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つなぐ言葉たち切る言葉

自分が言われて嬉しい言葉、イヤな言葉を思い出す中で、言葉遣いの大切さに気づくことができます。たくさんの悪口を出させた後、「自分の名前をつけて言ってごらん」というところが、この授業の一番の見せ場です。

森竹高裕

言葉遣いについて考えた。プリントを配って「つなぐ言葉、たち切る言葉って何でしょう？」と尋ねてみたが、よくわからない様子である。

プリントを配ってから

今から、この紙に思いつくかぎりの悪口を書きましょう

「えっ、何を書けばいいの？」などと言っていたが、普段言われて嫌だったことだとわかると、妙に張り切って書き始めた。

「もういいですか？」と聞いても「まだダメ」という返事が返ってきた。ずいぶん楽しそうに書いている。様子を見計らって一人ずつ順番に悪口を発表させた。

・バカ　　　　・アホ　　　・ボケ　　　・間抜け　　　・ウキホ　　　・トロいなぁ　　・デカ　　　・ババァ　　　・チビ　
・死ね　　　　・消えろ　　・ふざけんな　　・だまれ　　　・ヘボ　　　・嘘つき　　　・デブ　　　・ブー　　・しつこい
・プー　　　　・巨人　　　・すぐ泣くくせに　　　　・まんじゅう　　　・お前の頭どうなってんの　　　・おなら　　　
・くさってんじゃねぇ　　　・じじい　　　・クソ

まあ出るわ出るわ。全員発表してもまだ足りないくらいである。特に、自分の名前を変なものに変えて呼ばれたことをあげる子が多かった。

言われて嫌だった言葉はどれですか。嫌だったものに手をあげてください

挙手していくと、どれにもたくさんの手が挙がった。チビ・デカ・デブなど体に関するものも嫌だったという。嫌だった言葉を確認したあとで

嫌だった言葉に自分の名前をつけて声を出して読んでみましょう。どんな気持ちになるでしょうね。

試しに私の名前で自分がやってみせた。「森竹のバカ」「森竹のアホ」「森竹消えろ」なんだか言っている自分も嫌になっできた。教室が暗い雰囲気になってしまったので「森竹のおならブー」これには思わずみんな笑ってしまった。（私も）

大笑いしたあとで「○○のバカ」「○○のボケ」など自分の名前でやったのであるが、見るからに嫌そうな顔をしている。つぎに

今までに言われて嬉しかった言葉を教えてください

・すごい　　　　・大丈夫？　　　・ありがとう　　　・ドンマイ　　　・どうしたの　　　・サンキュー　　　・天才
・惜しいよ　　　　・ナイス　　　　・気にするな　　・ＯＫ　　　　・字、上手だね　　　・おめでとう　　　・絵がうまいね

「私が〜の時、○さんが〜と言ってくれて嬉しかったです」という発表が続きとてもいい雰囲気であった。言われた子も嬉しそうに聞いている。「悪口」と「うれしい言葉」が出たところで

悪口と嬉しかった言葉を比べてみましょう。何か気がつくことがありますか？

すぐに気がついたことは〈悪口が圧倒的に多い〉ということであった。比べものにはならないほどである。

• 悪口はストレスがたまってしまう。ストレスがたまって自殺する人もいる。悪口を減らしたい。
• 悪口を言われるよりうれしいこと言われた方がいい。嫌なことは忘れられない。
• 悪口は嫌な思いがいっぱいになっちゃう。
• 嫌な言葉が多い。うれしい言葉を多くしたい。
• 自分は何とも思っていなくても傷つく人がいる。相手はかわいそう。
• ドッジボールで手をつき指したとき「大丈夫」と言われて嬉しかった。
• 嫌な方は嫌な気持ちになる。
• 誕生日のとき家族から「おめでとう」と言われて嬉しかった。
• 悪口を減らしたい。
• うれしいが少ないからうれしいを増やしたい。
• うれしい言葉は人を勇気づける感じがする。
• うれしいは、心がホカホカする。悪口は心が傷つく。
• 悪口は、嫌だからまた他の所に入ったりしてどんどん広がっていってしまうと思う。

最後に授業の感想を書いた。

• みんな悪口を言われるのをいやがっていて、私もそう思った。
• うれしい言葉は気持ちがいいです。
• 僕は悪口を言っていたけれど、なんでそういう嫌なことをしたんだろうと思いました。

参考文献：「toss道徳トークライン21」　太田麻奈美氏論文