シリウス/ 国語 / 社会 / 算数 / 理科 / 生活 / 音楽 / 図工 / 体育 / 道徳 / 学活 / 特活 / 総合

おねえさんからの手紙

　　〜大山のぶ代さんの授業〜

森竹高裕

「おねえさんからの手紙」という資料を使って授業をおこなった。少し声がダミ声のため回りの子からからかわれた過去をもつドラえもんの声でおなじみの大山のぶ代さんの実話である。まず資料（前半部）を配り読み聞かせた。まだ誰のことかはふせてある。

自分の声のことで悩んでいるこのお姉さんに、どんな言葉をかてあげたいですか。

考えを書いた後、班ごと話し合いをした。

• みんなと違う声でも笑う方が悪いんだから、そんなに気にすることないし、一人ひとりみんな一緒じゃないから、気にしなくてもいいよ。
• もしみんなが笑っても、みんなと声が違っても、私はちっともおかしいと思わないよ。
• 誰かが笑ってもそんなに悲しまなくてもいい。誰かが笑ったら、笑い返せばいい。
• また言われても気にしない方がいい。気にしたらまたいじめられる。
• 笑ったりする方が悪いんだから、気にすることはない。
• みんなそれぞれ違うんだから、別にそんなに気にすることはない。

どの班からもこのおねえさんに対して優しい言葉が出された。

お姉さんが悩んでいたので、心配した人がたくさんいます。それは誰でしょう。

　・一番仲がよい人。お父さん、お母さん、先生
　・おばあちゃん、お母さん、お父さん、おじいちゃん、お姉ちゃん、妹
　・お母さん、心の優しい親友。
　・先生、父、母、ばあちゃん、じいちゃん、親友、自分

たくさんの心配する人が出てきたところで、一番心配してくれたのは誰かを考えることにした。

この中で一番心配したのは誰でしょう。

候補としてあがったのは < お母さん >　< 親友 >　< 先生 > の３つであるが、考えが分かれた。答えの中で一つ気になったものがあった。<誰も心配していない>というものである。この子がなぜそう思ったのか、しっかり見つめていきたい。

さて、このお姉さんの場合は < お母さん > であったことを告げてから、資料の後半部を配った。話を読み聞かせると「おぉー！」という声があがった。次に

お母さんが、このお姉さんに言った言葉は、最初にみなさんがかけた言葉とは違っていましたね。お母さんの言葉がみんなの言葉と一番ちがうところはどんなところでしょう。

• 厳しい顔をしている。
• 私たちはまだ育てられる側だから、お姉さんに応援することしかできないけれど、お母さんは育てる側だから、厳しいことを言っている。
• 気にするな、直るから大丈夫だといっている。
• 怒っているみたいだけれど、教えてあげようという心を持っているみたいだ。
• そのままでいいのではなく、悪いと思うなら自分で何とかしなさいといっている。
• それって愛情だよ、愛情。
• 自分に自信を持ちなさい。

実はこのお姉さんが大人になったときの声を用意してあります。テープで聞いてみよう。

テープからドラえもんの声が聞こえてくると、「エー？」の声。そう、大山のぶ代さんの子ども時代のお話でした。