シリウス/ 国語 / 社会 / 算数 / 理科 / 生活 / 音楽 / 図工 / 体育 / 道徳 / 学活 / 特活 / 総合
松谷みよ子さんの絵本に「わたしのいもうと」（偕成社）がある。松谷さんのもとに寄せられた一通の手紙をもとに書かれたお話である。この作品をもとにいじめについてみんなで考えた。
「今から、「わたしのいもうと」という本を読みます。松谷みよ子さんという人が書きました」と本の紹介をした。最後までは読まずに、クラスの友達にいじめられた段までを読んだ。そこまで読んだところで、いもうと・いじめた子たちは、それぞれどうなったか予想をさせる。
子どもたちから出された考えは次のようなものであった。
・みんなに勇気づけられて元気になった。
・仲直りをして一緒に遊んだ。
・いじめた子たちに謝ってもらった。
・また学校に行くようになった。
・反抗的になってしまった。
・家の人に叱られた ・いもうとに謝った ・またいじめた
・自分のしたことを悔やんで心の中で苦しんだ
・別に誰からも言われずに普通に暮らした。
続きを読む前に、自分としては物語の続きが、どうなってほしいか尋ねた。
< いもうと >
・勇気づけられて元気になった ２４人
・あやまってもらった ４人
< いじめた子たち >
・あやまった ３０人
・自分のしたことを悔やんだ ４人
・叱られた ２人
このように予想をしたあとに物語の後半部を読んだ。結果は子どもの願いとは全く違ったものだった。いもうとは自殺し、いじめっ子は笑いながら元気いっぱい。あまりの結果に教室は重い重い空気に包まれた。これがフィクションでなく、事実であったことに胸が痛む。次に
あちこちでひそひそ話し合っていたのがやがて意見となってして、噴出した。
・人を殺したことと同じだから罪を償う。
・いじめた方も悔やんで生きていかなければいけない。
・謝る。 ← 謝っても意味がないよ。死んじゃったんだもの。
・自分のしたことをきっと悪いことをしたと思っていると思う。
「償う」という言葉の意味がわからないという言葉を受けて、国語辞典で意味を調べた子がいた。
償う：罪を犯したことに対して、お金や品物でその補償をすること
全員からいっせいに「違う！」の声。ではどうしたらいいのだろう？
・自分も死ねばいい ← それって言い過ぎじゃない？
・寺や協会に行って悪い心を追い払ってもらう。
・墓参りや葬式に行って心からわびる。
・刑務所に行く
そう簡単に答を出すことはできない。最後に授業の感想を書いてもらった。
・今日「わたしのいもうと」の勉強をして思ったことは、どうして妹がいじ められたりしているのに、誰も止めたりしてくれなかったのかなあという ことです。先生もいるはずなのに、妹がいじめられているのを止めようと しませんでした。いじめた子たちは自分たちが殺したようなものなのに、 何もしないでふつうに学校に行くのはひどすぎると思います。（Ｒ．Ｉ）
・「いじめ」ってこわいなと思った。運動ができない、うちが貧乏、人の弱 みにつけ込んでみんなで無視したり、リンチしたりする。地獄のようなも のだ。妹が死にあこがれた気持ちがわかる。ぼくもコワイ。いついじめられるか、無視されるかわからない。妹のいじめに先生が気づかなかったの も不思議だ。妹にとって学校はおそろしい場所だったのだろう。ぼくたちはいじめについてもっと知らなければならない。（Ｊ．Ｏ）