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とべないホタル １

〜自分とホタルを重ね合わせて〜　

森竹高裕

　題材は「とべないホタル」（）という童話を要約したものである。授業のねらいは当初、「仲間を仲間外れにすることなく、同じ仲間の一員なのだ。みんなで一緒にできることをしようという気持ちに気づく」というものであった。このねらいで授業を進めたのであるが、次第に自分の障害のこと、回りの社会のこと、自分たちの生活はどうなのか？」といったところへと話は深まっていった。

　「とべないホタル」の話を読んでみましょう。

と、資料１を配った。資料１は、１匹のホタルは羽が縮んでいるためにうまく空へ飛ぶことができない場面である。

なぜこのホタルは飛べないのでしょうか？このホタルについて何か思うことはありますか

< かわいそう >　３人
・飛べないから
・みんなは飛べるのにこのホタルは飛べないから
　
< さみしい >　１人
< かなしい >　１人
　
最初は、このような表面的な意見が多かった。しばらくすると
・このホタルは飛べないけれど、ぼくたちでいったら歩けないのと一緒
・このホタルの気持ちわかるような気がする
・仲間はずれになるんじゃない
・何だかこのあと「自分だけ飛べないんだ。やーい！」っていじめられそう　な気がする
　
私は、ハッと思い、次のように投げかけ、子どものしゃべるのに任せた。

みんなはどうしてそう思うのですか

　子どもたちは今まで言いたいことがいっぱいあったようだ。我も我もと「こんなことがあった」「あんなことがあった」と話し出した。
　
・補装具をはいていたこと、回りの子に「何で歩けないんだよー」って言わ れた。
・遊園地に行ってジロジロ見られてイヤだった。
・遊ぶ仲間に入れてもらえなかった。
・「お前歩けないんだろう」って言われたことがある。
　
そんなとき心の中で思ったことも教えてくれた。
・死んでしまえ
・「くそー」って思うんだけど、声にならないんですよ
・自殺しちゃえ
・悲しくてショック