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あんまん

人に迷惑をかけなければ、何をしてもいいか　

森竹高裕

「友達ときまりどちらが大切？」と問われたら、「どちらも大切」と答えたい。でもすぐには答えられないときがある。こんなとき人はどうしたらいいか迷う。そんな現実にありそうな迷いについて学習をした。まず初めに

あなたには友達がいますか。友達がいていいなぁ、と思うときはどんなときですか。

全員の子が < 友達がいる > と答えた。喜ばしいことである。友達のいいところは、次のことがあげられた。
　・困っているとき助けてくれる
　・一緒に遊べること
　・相談できる
　・笑いがある（楽しい）
　・ケンカができる

友達のいいところをいろいろあげたところで、資料「あんまん」を読んだ。話を読んだところで「わたし」の悩みについて考えてみることにした。

「わたし」は、あんまんを食べた方がいいだろうか

< 食べない方がいい >　２４人

• だって学校の帰りに食べてはいけないか
• まだ学校の帰りだし、買い食いしてはいけないから。買ってくれたのはうれしいけれど、ちゃんと帰ってから食べた方がいい。
• 学校の帰りに買い食いをして怒られた人が前にいる。だから私は食べない。どうしても二人が「食べる？」といったら二人だけで食べてもらう。
• 食べるより止めてあげた方が友達もあとで、ぼくのために止めてくれたんだとわかってくれるかもしれない。
• 学校の帰りだから、あんまんは食べない。

< 食べた方がいい >　１１人

• 友達から食べてといわれたら、食べるかもしれない。
• せっかくたまにしか三人で帰れないのに、そんな友達のプレゼントを受け取れないなんて言いづらいから、友達関係を保つために食べる。
• せっかくあんまんを買ってくれたから、食べた方がいい。
• 食べないと買ってくれた人がむなしくなる。食べてあげればこの人にとってはうれしいと思う。
• せっかく買ってきてくれたんだし、もったいない。友達がすすめてくれたことを断れない。
• 家で食べるとさめてしまう。温かい方がおいしい。

どちらの言い分もよくわかる。あんまんを食べるのはあまりいいことではないけれど、友達の好意をむげに断るのも気がひける。この３人があんまんを食べたところで誰にも迷惑をかけるわけではない。

このお話の場合、あんまんを食べても誰にも迷惑をかけませんね。人に迷惑をかけたわけではありません。では人に迷惑をかけなければ、何をしてもいいでしょうか。

もう少し広く考えてみることにした。「オレ（アタシ）がいつあんたに迷惑をかけたんだよ!!」という場面をテレビやマンガで見かけることがある。この言い分は本当に正しいのであろうか。このことを問いかけてみた。

< 何をしてもいいわけではない >

• 黙っていればわからない場合もあるけれど、黙っているというのはつらい。
• 算数のとき答えを友達に教えてもらったことがある。迷惑はかけていないけれど、自分のためにならない。
• ４年生の時にけがをさせてしまったことがある。一度迷惑をかければ二度目はしないように心がける。
• カンニングとかで、迷惑はかけていないけれど、見られた人はいやだと思う。
• 実は前、友達とアイスを買ったことがある。やっぱりよくないと思う。
• 下校中に買い食いをしてはいけないというのは、やっぱり理由があると思う。ひどくなると万引きしてしまうかもしれない。

　自分の体験がたくさん出てきた。最後に授業の感想を書かせた。

授業の感想より

• 迷惑をかけないんだから、いいじゃん、って言ってお母さんに怒られたことがある。ひろみさんは、ゆかりさんに迷惑をかけていると思いました。（Ｍ・Ｉ）
• ぼくはこれから迷惑をかけなくても悪いことはしないようにしようと思った。他の人は知らなくても神様はいつも見ているから。（Ｙ・Ｓ）
• 自分もこういう経験があった。友達が来てその日は出かける日で自分は出かかる用をとった。ぼくはそのことを今でも後悔している。自分の選　択が迷惑させた。（Ｋ・Ｙ）
• 今日の授業で迷惑をかけなければ何をしてもいいというのはよくないことだとわかりました。もしかしたら気がつかないところで迷惑をかけているかもしれない。今日の授業はよかったです。（Ｅ・Ｎ）