通信表の所見文は、ハッピーレターで

絶対評価で成績をつけるときに、次の工夫をして精度を上げています　　

森竹高裕

終業式に一人ひとりに通信表を手渡しました。所見文がないとちょっと寂しいので、所見文の代わりにハッピーレターをしました。子ども同士でお互いのいいところ・素敵なところを書きあいます。そこには、最も顕著なよさが的確に書かれており、教師の見方も子どもの見方も同じであることがわかります。○○のとき□□してくれてありがとう、など具体的事実もわかります。

親にとっては子どもがクラスの中で、みんなからどう思われているのかがよくわかるのではないかと思います。子ども自身も、集まったハッピーレターを綴じて冊子にしてあげると、嬉しそうに何度も読み返していました。だって、いいことしか書いてありません。

通信表を配る際に、このハッピーレターの表紙に、教師からひとことだけ教師の言葉も入れました。「４年生になって心が成長しています」など子どもに手渡すときに思い浮かんだことを即書き込みます。これらのものを所見文の代わりとして手渡しました。

■ハッピーレター■

学期末には定番の「ハッピーレター」。やり方は簡単だし、みんながハッピーな気持ちになれるので、ずっと続けています。

［準備するもの］
　　・Ｂ６の用紙（無地でも可）　　・ホッチキス

［やり方（ルール）］
　１．クラスの人に、ハッピーレターを書きましょう。
　２．もらった人が嬉しくなるように、いいところ・素敵な所を書きましょう。
　３．誰かからハッピーレターをもらったら、必ず返事を書きます。
　４．書いた手紙は、ポスト（適当な箱）に入れて下さい。
　５．（ある程度たまったら）郵便やさん、配って下さい。
　６．読んで嫌なことが書いてあったら、先生のところに来て下さい。
　７．時間の最後に、ハッピーレターをホッチキスでとめてあげる。

［留意点］

書く対象を徐々に広げていくとよい。まず隣の人→班の人→クラスの人
男子→女子→男子→女子…　のように交互に書かせると、いろいろな人からもらえるし、おふざけにならない。
低中学年の場合、最初の数枚は「きちんと書いてあるかどうか見せてもらいます」とチェックする。（あまりにも雑な字、おふざけを防ぐため）
Ｂ６用紙は400枚（Ｂ４サイズで100枚分）ほど用意するとよい。
活動時間として４５分はほしい。（説明、ホッチキスの時間を含む）
保護者面接のとき、子どものよいあらわれとしてそのまま資料になる。

ハッピーレターは、出せば必ず返事をもらえますから、子どもたちは１時間中、ひたすら書き続けます。その集中力、頑張りにしばしば驚かされます。努力が正当な形で報われることの大切さを感じます。

たくさんの人からハッピーレターをほしいので、雑な字になりますが「あーだこーだ」言うのはやめましょう。それだけで嫌になります。教師が得意なことは「間違い探し」ですが、もっと身につけた方がいいのは「丼勘定」「明るい方向で考えること」です。（保護者に見せる場合は、一枚一枚かんたんにチェックをした）

前にもどる　シリウスtop　