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学校ホームページの作りかた・考え方１

学校ホームページをより活性化するためについて考えました。　

森竹高裕

１．学校ホームページの役割
　学校ホームページの役割は、自校を紹介したり、地域や保護者へ情報を提供することで、学校を理解していただき、自校の教育活動をより活性化させることである。
　またwwwが最も得意とする“自分たちの成果などを発表し、保存の場とする”機能を、児童の教材として活用することが、よりよい教育活動につながると考える。そのためには、学校の様子や学習の成果を継続的に発信することが必要になる。


２．学校ホームページの機能
　学校ホームページの機能には「広報」「連絡」「教材」「提供」「交流」の５つが考えられる。その目的と具体的な内容は、表１の通りである。

３．学校ホームページのターゲットと更新頻度
　学校ホームページを開設するにあたって課題になるのが「ターゲット（対象者）」と「更新作業」である。内容によっては、更新作業がほとんど必要のないものから、頻繁に更新が必要なものまで、様々である。表２にこの関係をまとめた。

４．学校ホームページを活性化するために
　学校ホームページをより活性化するには、児童の学習成果を発表する場として活用したい。学習したことを紙の模造紙に書いて多くの人に見てもらうのと同様、学校ホームページを学習成果の発表の場とする。地域に開かれた巨大な模造紙のイメージである。
　総合的な学習では“地域や学校の特色に応じた課題について、学校の実態に応じた学習活動を行うもの”とある。自校の特色ある教育を紹介することが、学校の個性化につながるだろう。その意味で、学校ホームページと総合的な学習の時間は、密接な関係にあるといえる。　（詳細）
　学校ホームページを“学習成果を発表する場”として利用するには、次を考慮したい。

• 学校の一番の特長（ウリ）を発信することが、魅力ある学校ホームページになる。
• 自校の特色ある取り組みを子ども自身が作成し、学習成果を発表する。
• 各学級の足並み（ページ数）を揃えようとすると苦しい。「学びの伝承」と考え、在　　校生だけではなく、過去に何を学んだか学習の足跡を残し、それを後輩が活用する。
• 学校ホームページから、自校の取り組みに参考になるものを学び生かしてもらう。
• 自校のホームページを、他校との交流のきっかけの場とする。
• 学校ホームページと地域と総合的な学習とは密接に関連している。
• 自校の教育活動を紹介し、興味があれば詳しくは電話やメールで問い合わせてもらう。
• 公民館と学校は、共通する部分があるのでホームページが参考になる。

５．学校ホームページの具体的コンテンツ
　(1) 教員向け

• 特色ある教育活動（学校としてのアイデンティティー）
• 校内研究（研修のまとめ、研修収録の原稿など）
• 学校行事（学校の公開，教育活動のあらまし）
• 学習活動の紹介（学習内容や学習の様子）
• 「総合的な学習の時間」での活動内容。
• 学習成果の発表（作品やレポート、作文・観察日記・学校新聞・調べ学習）
• 実践記録、研究報告、紀要
• 学校長（教員）の教育観を語る。
• 本校の教育について（教育目標、重点目標）

　(2) 保護者向け

• 本校のしくみやルールを明らかにしておく学校の「説明責任」にあたる部分。子どもに聞いてもはっきりしない内容（詳細）
• 年度末、保護者向けにおこなう「学校評価アンケート」の結果と考察
• 学校行事（教育活動のあらまし、行事の写真やビデオ映像）
• 学習活動の紹介（学習内容や学習の様子。児童作品の掲載）
• 行事予定（授業参観日、お弁当の日、教育活動のあらまし）
• 心のあたたまる話（校内で見つけたちょっといい話）
• 最近の教育動向についてのリンク集（文部科学省、読売オンラインなど）
• 通信票の見方、評価基準について（評価基準表を公開する）
• 学校だより、行事のおしらせ（お弁当や授業参観日）
• 学校長（教員）の教育観を語る。
• PTA活動（廃品回収、奉仕作業の日程、保護者と教師の協力）
• 学年、学級の紹介（学級だより、学年だよりなど独自の取り組み）
• 調査、アンケート、学習ボランティア（読み聞かせ、ＨＰ作成など）の呼びかけ
• 地震や火災など緊急時の対応について（学校としての方針、引き渡しについて）
• 地域への呼びかけ・お願い（学習ボランティア）

　(3) 子ども向け
　・学習成果を掲載する：総合的な学習の成果を発表する。
　　→　学校ホームページと総合的な学習は密接に関連している
　・地域の教材マップ：地図をクリックするとそこがどんな場所か説明がある
　・デジタルポートフォリオで先輩の研究を受け継いでいく　→　特色ある学校へ。
　・調べ学習のポータルサイト（電車、バス、郵便番号など）
　・作品発表の場：交流学習への発展の可能性を持つ
　・市内の学校が情報を共有する：捜したい内容が市内の学校ＨＰで見つかる
　・デザインコンテストなど：児童会主催でキャラクター応募などのコンテストをする
　・リンク集（学習の効率化）
　・学習教材の提供：家庭学習、ドリル学習の教材を提供する。

　(4) 卒業生、地域の人々
　・過去の自分に会えるホームページ（児童作品、写真をずっと残していく）
　・私たちの先輩：活躍している卒業生（執筆者、スポーツ、会社経営）を知らせる
　・同窓生との交流の窓口、学校コミュニティの窓口として：掲示板を活用する
　・保護者や卒業生主体で企画運営されるページ：学校ホームページにリンクしてもらう
　・卒業生向けの同窓会ページ


学校ホームページを作るときに課題になったこと

• 何のために学校のホームページを作るの？
• 地域の人はパソコンを持っていないのに、本当に見る人がいるの？
• パソコンの得意な先生のクラスばかりページができていいよね。
• ホームページの立ち上げよりも、更新作業が大変なんだよ。
• 子どもの顔写真や作品を載せてもいいの？　顔はみんなモザイクかける？
• 著作権は大丈夫なの？
• パソコンが得意な人が転任したらどうなるの？

学校ホームページ作成途中のポイント

• 見る人にとっても作る人にとっても、敷居をできるかぎり低くする。
• 構成（構造）はシンプルにし、作りも単純にする。
• 学期１回程度、職員作業をとり、学年（学級）のページを作る。
• 骨格は担当者がホームページビルダーで作成し、児童や教員が作成する各ページは　　　容易にできるソフト（cubeなど）で作成する。リンクは、担当者が張ってあげる。
• イラスト・アイコンを使いすぎない。ごちゃごちゃした印象にならないよう注意。
• ブローバンドが当たり前になったら、保護者には映像配信が喜ばれそうだ。
• トップページを重くしない。巨大サイズの写真は×。トップページに更新情報を置く。
• 訪問者が迷子にならないようにフレームを使うとよい（学校ＨＰの場合）
• ホームページ作成の難しい機能（javaなど）を使いすぎない。
• 複数の担当者がいると引き継ぎがしやすい。
• ページのアップは一人の担当者がする。てんでにやると混乱する。
• 校内で自主講習を開き、ホームページ作成の和を徐々に広げていく。
• 個人情報の扱いに注意する。児童作品（絵画や作文）は、本人と保護者の許可を取る。
• 絵や写真を使って視覚的にわかりやすいページを作る。保護者は写真を見たい。
• 音声入力、ＯＣＲは間違えが多い。プリントアウトして、文章を読み返す必要がある。