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空から降ってきたビラ〜第二次世界大戦戦争〜
森竹 高裕
戦争の末期について学習をした。太平洋戦争末期、米軍派は沖縄への攻撃に
先立ち、宣伝ビラを飛行機から投下した。このビラで、戦局の真相を知らせ
たり、住民に戦争から非難するように勧告をした。しかし日本側はこのビラ
を信じようとはせず、必死の抵抗をおこない多くの犠牲者を出すことになっ
た。このときのビラをもとに沖縄戦についての授業をした。まず授業では、米軍が沖縄住民にまいたビラ（「授業づくりネットワーク誌」より）を配った。
（資料Ａ）
住民に告ぐ
近いうちに激しい戦ひがこの島で行はれます。戦場の近くに残ってゐる皆さんは(1)軍へ向かって射つ(2)軍の小銃の弾、大砲の弾やロケットや爆弾をさける事は出来ません。それで早く安全な所に逃げなさい。又落下傘部隊にも気を附けなさい。
自分の家に帰つても全な時がくれば(2)軍の司令官は皆さんに知らせます。(2)軍は出来るだけ皆さんの命や財産や家等に損害がない様に気を附けてゐます。私達は皆さんが元の平和な暮らしが出来る様にしたいのです。
それで出来るだけ早く戦争のある所から逃げて、家に帰ってもよいと言ふ知らせがあるまで待ってゐなさい。
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発問１
昭和２０年、日本のある島に飛行機がこのようなビラをまきました。この島は何という島でしょうか。
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・沖縄。すごい戦いがあったと教科書に書いてある。
・広島。原子爆弾が落ちて、たくさんの人が亡くなった。
子どもたちは教科書や資料集から沖縄、広島、長崎が多くの被害を受けたこ
とを知った。いくつかの島の名前が出たので、この島は沖縄であることを教
えた。次に
発問２
プリントの中に(1)軍(2)軍とありますが、それぞれどこの国のことでしょう。ノートに自分の予想とその理由を書きましょう
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個人ごと考えたあとに、班別に話し合った。ほとんどの子が(1)アメリカ
(2)日本と考えた。
(1)がアメリカ、 (2)が日本
・アメリカ軍が沖縄を占領したと書いてある
・(2)軍は日本のことをちゃんと考えて、ビラをまいている
・(1)軍が(2)軍に忠告していると思うから。
・住民のことを心配しているのがわかるから。
(1)が日本、 (2)がアメリカ
・アメリカ軍が、日本を占領するときにビラをまいた
(1)日本(2)アメリカと考えたのは一人だけだった。意見を言うと「でも日本
語で書くのはおかしいよ」という声があちこちからあがった。
正解をいうと一斉に「えー！」の声。たった一人意見を言った子は思わずガ
ッツポーズをしていた。なぜこのように予想と結果が全く逆になってしまっ
たのであろう。そのヒントはすでに話し合いの中に出ていた。
・きっとこの文を書いた人は沖縄の人のことを助けたかったのだと思う。
・沖縄の人たちに、これから大砲や攻撃が始まって危ないよと忠告している。
このようのアメリカ軍は沖縄を攻める前に、ビラをまいて逃げるように勧告していたのである。次に
発問４ さて、沖縄の人は、このビラを信じて逃げたと思いますか
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３３名の子が逃げなかった。と考えた。戦いが不利になることを日本軍は隠
していたのである。そして右のようなものをまいていたのである。そこで住
民は逃げ遅れ、多数の犠牲者が出た。
（資料Ｂ）
･･･････敵が飛行機其ノ他ヨリスル宣 （縛）「ビラ」撒布ノ場合ハ早急ニ之ヲ（ ）収拾メ軍の當局ニ送付スルコト妾ニ之ヲ拾得私有シ居ル者ハ敵側「スパイ」と見（ ）シ銃殺す
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