日本が戦争をしたことはよかったことか〜日清・日露戦争〜
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 森竹　高裕

日清・日露戦争について学習をしている。富国強兵を目指した日本は、欧米
の列強と肩を並べるために、二つの大きな戦争を起こした。この戦いに勝利
した日本は様々な利権を手に入れることができた。歴史に「もしもあのとき
〜したら、〜していれば」というタラレバは禁句だというが、子どもたちの
戦争を見つめる目をより深いものにするための授業をした。

　まず教科書を一通り読んだあとに

指示１ 日本が清（中国）やロシアと戦争したことは、よかったことだろうか。資料を身ながらよかったこと・よくなかったことをノートにまとめよう

と投げかけ、よかったこと・よくなかったことについてまとめた

< よかったこと >
　・リャオトン半島、台湾を手に入れた
　・約三億一千万円を手に入れた
　・港を開き、自由に産業に携わってよい
　・朝鮮は日本が保護、指導、管理する
　・ロシアのもっていた満州の鉄道を手に入れた
　・樺太の南半分を手に入れた
　・世界の強い国と同じように植民地を持った
　・ロシアの侵略を止めることができた。

< よくなかったこと >
　・日本の領土が増えただけで、一般の国民が儲かったわけではない
　・戦争は人を殺すことで、大きな罪
　・地租が2.5％から5.5％になって、税が重くなった。
　・朝鮮の人々は強制的に日本語を学ばされた。民族の誇りを失った。
　・条約の内容に不満を持つものがいて、暴動が起きた。

個々で考えをまとめたあとに、話し合いをした。

発問１ 日本が清（中国）やロシアと戦争をしたことはよかったでしょうか

このように尋ねることによって、そのときの日本の置かれた状況や世界の状
況をつかませようとした。

< 戦争をしてよかった >　０人

< 戦争をしてよくなかった >
　・土地を手に入れただけで、一般の国民は死者が出ただけ
　・多くの死者が出るし、自由な暮らしができないから
　・島が支配できたって死者が何万人も出たらイヤだから
　・国民は全然もうかっていない。挑戦の子どもたちが苦しんだ
　・朝鮮を手に入れることはできたけれど、国民は重税に苦しんだ
　・国は韓国の土地をもらっても、国民は戦争のためのお金を払って貧乏に
　　なった

いろいろな角度から見ることによってより戦争に対する見方が深まればいい
と考えた。