６年　社会・歴史

　　　平安時代の美人と貴族の屋敷との関係は
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 森竹　高裕

平安時代の貴族の暮らしを、当時の美人を切り口にして迫ってみた。

発問１　テレビとか見ていて、美人だなあと思う人は誰ですか

いろいろな芸能人が出てきた。
　・菊池桃子　　　・西田ひかる　　・森口ひろ子　・小泉今日子
などなど。さて彼女たちのどこがいいかを尋ねると

発問２　この人たちのどこがいいですか

　・お化粧している
　・顔の形がいい
　・歩き方
　・目がいい
　・まつげが長い

といった理由であった。そこで次に上のようなプリントを配った。（平安時代の美人画：資料集より）（資料に興味があるときには、メールを下さい）

説明１　みなさんこのプリントをよく見て下さい。この人たちは平安時 　　　　代の最高の美人なのです。

と説明すると一斉に「えー！！」の声が起きた。
　・最高の美人じゃなくて、最高のブスだよ
といった発言も飛び出した。

発問３　美人ではないと思うわけは何ですか

　　・おたふく風邪みたい　　　　　・お化けみたい　　　
　　・顔が大きい　　　　　　　　　・かわいくない　　　
　　・口が小さい　　　　　　　　　・目が細い　　　　　
　　・髪が長すぎ　　　　　　　　　・鼻がでかい　　　　
　　・眉毛が太い　　　　　　　　　・つり目をしている。
　　・丸っこすぎる

など言いたい放題である。

発問４　平安時代の美人の条件は、「顔がでかい」ことと「髪が長い」 　　　　ことでした。なぜ顔がでかくて髪が長いとよかったのでしょう

各自予想をした。
　・着物を着ていたから
　・目が下がっているとヘンに見えた

どれも当てずっぽうであるから、次のようなヒントを出した。

発問５　顔がでかいといいわけは、実は貴族の家と関係があったのです 　　　　今の家とどんなところが違いますか

　・トイレがない
　・お寺みたい
　・部屋がいろいろある
　・かわらがない
　・窓がない
　・庭から中が見える。

などであった。電気がなかったので部屋の中が薄暗かったことに気づかせた
かったのであるが、出てこなかったので、窓がないことをもとに説明をした。
さてなぜ電気がないと顔の大きい人が美人になるのでしょうか？子どもたち
の考えは

　・顔がでかいと目立つ
　・偉い人からわかりやすいように
　・電気がなくて薄暗いと顔がでかい方が大きくてよくわかる

といった考えが出された。実はこれが正解で、薄暗い中で少しでも目立つよ
う女性はおしろいをべったり顔に塗りつけていた。薄暗い屋敷の中でよく目
立つということで、顔が大きい女性が美人とされた。であるから女性は大変
であった。少しでも笑おうものなら壁に塗ったようなおしろいが剥がれ、悲
惨な状態になる。そこで女性は笑わないように、扇子で顔を隠していた。
　　　　　　　　参考図書「歴史授業の全発問・全指示」（明治図書）