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６年 社会 私たちのくらしと政治 １１ 〜訳の分からない憲法前文の読み方〜 森竹 高裕 「私たちのくらしと政治」の単元の最初は、日本の政治のもとになっている 憲法について学んだ。
読むとすぐに「意味がわからない」「訳が分からない」という声があがった。 資料集には原文、教科書には易しくした文が載っていたので、２つを比べな がら読むことにした。
原文では、［協和］となっている語句も、教科書では［親しく交わり］と易 しい言葉になっている。原文と教科書の文を照らし合わせることで、文をよ く読み、憲法の持っている基本理念を知らせたいと願った。語句が難しく、 辞書を使っても大変なものもあったが、何とか意味を照らし合わせることが できた。 次に憲法の条文を見ていくことにした。「日本国憲法」（小学館）という本 があるので、一人に１冊ずつ持たせ、
憲法の条文とともに、素敵な写真がたくさん入っているので、子どもたちは しばし、見入っていた。それでもしばらく眺めていると、好きな条文が見つ かった。好きな条文を写し、それを選んだわけを書かせた。人気のあったも のは次のものだった。 １位：第１４条（10人）：平等 ２位：第１３条（９人）：生命、自由、幸福を追求する権利 ３位：第２３条（６人）：学問の自由 ４位：第２２条（５人）：居住、職業選択の自由 ４位：第２５条（５人）：健康で文化的な生活 ５位：第 １条（３人）：象徴としての天皇 ５位：第 ９条（３人）：戦争の放棄 ５位：第３６条（３人）：拷問、及び刑罰の禁止 ６位：第１９条（２人）： その理由を見ていくと、なるほど納得できるものが多い。その条文が好きな わけを聞いていると、素直に「日本の憲法は、国民のことを考えたいい憲法 だなぁ」という気持ちになれた。憲法の条文の中に、思いやりのようなもの を感じた。普段、こんなに素直な気持ちで憲法に接することがないので、す がすがしい気持ちになった。 ・第１条：日本国民は、天皇がまとめているからいいと思った。 ・第９条：戦争をしないことだから、平和を求めているのがいい。 ・第11条：国民は全ての人が尊重されるのがいい。 ・第13条：やっぱり個人として尊重されたい。他人に迷惑をかけなければ、 自由にしていいよという感じがする。 ・第13条：人のじゃまをしなければ、幸せになっていいというのはいいと 思います。 ・第14条：差別されないことはいいことだと思う。 ・第14条：社会的関係において差別されないと言うところに惹かれまし た。四民平等と似ている。 ・第16条：請願権。誰でも国へお願いごとができるのがいい。 ・第19条：考えることはみんな自由だから。 ・第22条：どの職業についてもよくて、自由だから。 ・第23条：学問の自由。大学に行くのもいかないもの自由だというのがい い。ぼくは行きたくない。 ・第25条：健康で文化的な生活。生きていくためのものを与えてくれる。 生活の保障をしてくれるのがいい。 ・第36条：拷問及び刑罰の禁止。拷問とか刑罰を受けないから。 ・第39条：無罪。無罪であれば、罰を受けることがないから。
教科書の易しく直した文章の方で、条文を当てはめることにした。どれがど こに当てはまるのか、まるでパズルのように言葉探しをした。最後はみんな で確認しながら、見ていった。 ・国民を幸福にする：第11条、第13条。 ・二度と戦争のおこることのないように：第９条 ・国の政治のあり方を決めるのは、私たち国民にある：第１条 ・安全に暮らしていきたいと思います：第36条、第39条 ・私たちは、世界の人々が平和に、自由に、明るく暮らして ：第９条、第22条、第23条、第25条 ここで教科書に戻り、憲法の三つの原則について説明をした。
少し難しかったので、アドバイスを入れながら、次のように分類した。 < 国民主権 > 第１条 < 基本的人権の尊重 > 第11条、第13条、第14条、第15条、第16条、第23条、 第25条、第22条、第36条、第39条。 < 戦争放棄 > 第９条 |