６年　　算　数

　　　立体の体積と表面積 ４　〜底面積に高さをかけていいのか〜
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 森竹　高裕

前回の授業で出された　Ｂ：体積＝底面積×高さ　についてもう少し深く考
えることにした。まず教師が、次のように尋ねる。

Ｂの式を見ると、６×８÷２は三角形の面積になっています　 　　　　ね。この三角形の面積に高さの７cmをかけています。でもちょ 　　　　っと考えてみて。面積というのは、うすいものでしたよね。　 発問１　（と、実際に７枚の紙を重ねていく）７枚の紙を重ねても、　 　　　　７cmの厚さにはなりません。この三角柱の厚さにするためには 　　　　もっとたくさんの面積を重ねないといけないですよね。だか　 　　　　ら、高さはもっと大きな数をかけないといけないんじゃないで 　　　　すか。

この発問に対して、子どもたちは「うーん」と考え込んでしまった。今まで
面積の学習は、薄い紙の上に書かれたものばかりである。だから、面積＝薄
いものという固定概念を持っている。薄い面積を７cmの高さにするためには、
数十枚数百枚の紙を重ねないといけないのではないか、というパラドックス
に陥ってしまう。

しかし正確には、面積ではなく底体積なので
ある。底面積の部分に１立方cmが何個分ある
のかについて考えている。

発問２　底面積に高さの７cmをかけるだけでいいのだろうか

この発問に対しては、全員が < 高さの７cmをかけるだけでいい > と考えた。
その理由としては

< 高さの７cmをかけるだけでいい >
　・高さは７cmだから、７のままでもいいと思う。７枚と７cmは違う。高さ
　　で何cmとかいうことで、紙が７枚集まっても７cmにはならない。
　・いろんな７がある。同じ７でも薄いものと暑いものがあるから、バラバ
　　ラにしてはいけない。
　・ちょうど１cmの段ボールとかあれば×７でいいんだけれど、みんながみ
　　んな１cmというわけじゃない。１cmもある紙とかはないから、枚数で計
　　算してはいけない。
　・かけるのは枚数じゃなくて、ものさしとか線引きで測ったときの高さが
　　いい。
　・立体の体積の求め方は、たて×横×高さになっていて単位を見ると、cm
　　×cm×枚数になってしまって、立方センチメートルにならないからcmが
　　いい。
　・本とかの厚さのことをいうときに、○枚の厚さとは言わないで、○cmの
　　厚さといいます。紙のようなものが集まって立体になったときは、その
　　高さを枚数では表さずにcmで表すんだから、三角柱の高さもcmになると
　　思う。

このように面積というのは１cmの高さを持つ単位面積を積み重ねていくもの
だ、ということを理解することができた。