６年　理科 　 　　　水よう液の性質　６　　酸とアルカリを合わせたら、史上最強か 　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 森竹　高裕 　 　 　塩酸と水酸化ナトリウムを扱ってきた子どもたちは、どちらも金属を溶かしてしまうほど強いものであることを学んできている。当然、この二つを混ぜ合わせてら、もっと強い水溶液ができるものだと考えている。この意識をひっくり返す授業をおこなった。 　 発問１　水酸化ナトリウムと塩酸を合わせたら、これまで使ってきた水 　　　　溶液よりもっと強力な水溶液ができるでしょうか。 　 　 　ほとんどの子どもが、もっと強力な水溶液ができると考えた。それはこれまでの生活経験に基づくものなのであろう。 　 ＜ できる ＞ 　・塩酸も水酸化ナトリウムもアルミを溶かすくらいだから、あわさったら力が倍になると思う。 　・石けんとか違うの同士をあわせると、汚れがきれいになるのと同じように、よく溶かすようになると思う。 　・同じくらいの力になることはあっても、弱くなることはないと思う。 　 実験１　同じ量ずつ水酸化ナトリウムと塩酸を混ぜて、アルミニウムを 　　　　溶かしてみよう。 　 　 　同じくらいの濃さの水酸化ナトリウムと塩酸を混ぜて、アルミを入れても溶けない。このことに子どもは驚き、不思議がる。そこで、このことについて説明をした。 　 　　　　水酸化ナトリウムと塩酸を混ぜたとき、水酸化ナトリウムはア 説明１　ルカリ性、塩酸は酸性なので、お互いに力を打ち消し合ってし 　　　　まうのです。そのため アルカリ性 ＋ 酸性 → 中性 となり、 　　　　アルミニウムは溶けなくなってしまったのです。 　 　 　　　　水酸化ナトリウムと塩酸を混ぜていきながら、中性の水溶液を 実験２　作ってみよう。赤リトマス紙・青リトマス紙ともに色の変化が 　　　　なくなったところが中性になります。 　 　 　中性の水溶液を作るのは、なかなか難しかったようである。酸性の溶液を中性にしようと思って混ぜているうちについつい入れすぎてアルカリ性になってしまったり、その逆もあった。 　子どもたちはリトマス紙を使いながら、水溶液の性質を確かめあっていた。