美しく自分を染めあげて下さい

        サトウハチロー

(著作権に配慮し、詩の掲載を控えています)
 

  「プロ論」(徳間書店)という本を読みました。プロ中のプロは誰もがみな、自分の好きなことを仕事にしています。面白いと思ってやり続けた仕事が天職になっていることがよくわかりました。

 私は授業がうまくなりたい、いい学級を作りたいと、これまで有名な先生方の授業を見聞し、真似をしてきました。しかし、どうしてもその通りにはなりません。ようやく最近になって、自分の持ち味を知ることが一番大切であることに気づきました。私が生き生きとするのは子どもたちと何をしたときか、どうすれば胸躍り楽しいのかを、きちんと把握すること。問われているのは、自分の持ち味は何か?ということでした。決して誰かの真似じゃぁありません。

 自分らしさとは何かを明らかにすること、これがプロへの第一歩でした。しかしこれは容易なことではありません。数え切れない試行錯誤の末に身体の中からにじみ出てくるもので、大量の土砂から金を取り出すようなものです。たとえわずかでも輝く砂金が、ようやく見えた「自分らしさ」です。これに磨きをかけたとき、いい授業・いいクラスができるのだと思い至りました。

 自分の持ち味を十分生かしたとき、子どもも教師も輝きます。授業は本来、子どものためのもの。でもそれを自分にしかできない「森竹らしい」仕事にして子どもに返したいものです。そしてまた、子どもたちにもいつかの日か「自分らしさ」を見つけ、それを美しく染め上げてほしいと願わずにいられません。
 
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