６年　　国語

　　　川とノリオ２　〜ノリオの対役は誰か〜
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 森竹　高裕

物語の概要をつかませるために、事件・場所・登場人物について、一覧表に
まとめる作業をおこなった。物語の概要をつかむためには、有効な方法であ
る。

指示１　一覧表の中に、事件・場所・登場人物をまとめていこう

場面ごと、事件・場所・登場人物についてまとめていく。

発問１　「川とノリオ」の中心人物は誰ですか。

全員一致で < ノリオ > と考えた。

< ノリオ >
　・一番登場の回数が多い。　　　・ノリオが話の中心になっている。
　・ノリオがいつも出てきている。

中心人物の次に対役について検討した。対役とは、中心人物の心を最もよく
浮き出たせる役割をしている人物のことである。

発問２　「川とノリオ」の対役は誰でしょう。対役というのはノリオの 　　　　心を一番ださせる役割をしているものです。

班ごと検討させると < 母ちゃん >　< 川 > の２つの考えが出された。

< 母ちゃん >　22人
　・最後の章で、「母ちゃん帰れよう」と言っている。ノリオの悲しい心が
　　出ている。
　・母ちゃんが死んでしまったのがわかっているのに、最後の場面で母ちゃ
　　んのことを言っているから。
　・母ちゃんとの思い出がたくさんあって、母ちゃんがいないと淋しい。
　・ノリオは母ちゃんを忘れられない。
　・母ちゃんを思うノリオの気持ちが表れている。

< 川 >　12人
　・どの場面にも川が出てくるから。
　・母ちゃんも大事だけれど、川が出てくるから母ちゃんも出てくる
　・ノリオはこの川の声を聞いている。ノリオはいつも川と一緒。母ちゃん
　　よりもノリオの気持ちを表している。
　・川はノリオが生まれてからずーっと出ている。もう一人の母ちゃんて感
　　じがする。川が出てくる回数が多い。

この発言を受けて、川が出てくる場面、母ちゃんが出てくる場面を数えてみ
ることにした。先に作った一覧表で数えてみると、川が８場面、母ちゃんは
３場面であった。圧倒的に川の方が多かった。

話し合いではこの対役がはっきりしなかったので、川の流れの様子を追って
みることにした。

発問３　川の流れには、どんな流れがありますか。川の流れ方はいつも 　　　　同じでしょうか。

すぐに「流れはいつも同じじゃない」と返事が返ってきたので、どんな川の
流れがあるか、教科書から探してみた。

　・さらさらと休まず流れ続ける　　・いなかびた一筋の流れ
　・ザアザアと　　　　　　　　　　・白々と波だって笑いながら
　・川はますます白い波を立てて　　・山の中で聞くようなせせらぎ
　・川はだぶだぶ流していった　　　・ボチャリとすき通った水
　・すましこんでさらさら流れていく・ザアザア高まる川の音
　・あとからおしよせる銀の足　　　・さらさらとすずしいせの音をたてて

こんなにもたくさんの川の表情を見つけることができた。

発問４　たくさんの川流れがありましたね。この中でノリオの気持ちを 　　　　映し出しているものはありませんか。

そのときどきのノリオの気持ちをあらわしている川の流れがあることに気づ
くことができた。