６年　　国語

　　　きつねの窓 ６ 〜いつから不思議な世界に入ったのか２〜
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 森竹　高裕

前回の授業の続きである。１時間では結論が出なかったので、いつから不思
議な世界に入ったかもう一度検討した。

「きつねの窓」のキーワードは「ぼく」「ききょう」「きつね」「窓」の４
つである。この４つの中で、どこからが不思議の世界なのかを検討していっ
た。これまで出てきたのは､　< ききょうが出てきたとき >　< きつねがでて
きたとき >　< ぼくの気持ちが変わったとき >である。

発問１　「ぼく」はいつから不思議な世界に入ったのですか

< ききょうが出てきたとき >　１人
　・もともとききょうが出てきた不思議なことがおこった

< きつねが出てきたとき >　２人
　・不思議なことが起こるためには、ききょうときつねが必要
　・きつねとききょうがなくてはいけない

< ぼくの気持ちが変わったとき >　１人
　・自分の気持ちで不思議な世界に入った
　・教科書の「引き返すんだ」という気持ちからあとは、不思議な世界に入
　　ったんだと思う。

そこで、話をわかりやすくするために、表を作って検討することにした。

ぼくの気持ち 現実の世界 不思議な世界 「引き返すんだ」？ 現実の世界

この意見によると、「引き返すんだ」という気持ち以降が、この不思議な世
界に入ったのだということになる。これに対して他の子は

　・いや違う「引き返すんだ」はまだ現実の世界だ

と、主張する。どちらが適当なのだろう。この「引き返すんだ」という気持
ちだけではよくわからないので、他にどんな気持ちがあったのかを捜してい
った。子どもたちが見つけた「ぼく」の気持ちの変化まとめてみると、次の
ようになった。

ぼんやり あれ？ 立ちすくみました 息をのみました どこをどうまちがえて 引き返すんだ なんだかそらおそろしい ほんのちょっと休んでいこう

この中で検討されたのは、「あれ？」と「引き返すんだ」であった。

　・「引き返すんだ」でききょうが出てきたから
　・「あっ？」のとき、もう「いつもの見慣れたすぎ林ではなく」と、いつ
　　もと違うことに気づいているから、いつもと違うのだからここからが不
　　思議の世界。

というように、「ぼく」の気持ち以外の言葉を手がかりに自分の意見を発表
できた。結局「あれっ？」以降が不思議な世界に入ったのではないかという
ことにまとまった。